DISTINY
□君に逢いたい
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毎日のように家に来ていた光が
たまたま来なかったその日
一人で静かな家に着き
携帯を開くと
着信が1件、留守録ありの文字
「佳奈………」
留守電に入っていた懐かしい声
好きだった人、好きだった声
何もかもが過去形になってる
"好き"はもう
光のためにある言葉であり想いで
巧に逢いたいと言われても
もう話すことなんてない
着信履歴にも留守録にも
さよならをして
逢いたい人の顔を思い浮かべる
用もなく電話して
何を言えばいいかもわからずに
まだ学校かな…と思いながら
携帯の通話ボタンを押していた
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