DISTINY
□好きだから
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光に会わないと言って
もう2週間になる
仕事が忙しいからといったせいか
光もテニスの練習が忙しいのか
連絡をとらない日々が続いていた
弱虫な私は光に逢ったらきっと
また泣いてしまうから
傷付けるとわかっていても
光を避けて突き放すことしかできない
でも、光と出逢ったこの場所には
何故か来てしまう
今日も立ち寄った誰もいない図書室
ここで出逢ったあの時から
私の恋は始まっていた
ちゃんと忘れるから
いい思い出にして強くなるから
あと少しだけ
あと少しだけ好きでいさせて…?
『光…』
大好きな名を口に出しても
返事がないことはわかっていたのに
淋しさが込み上げてくる
帰ろう…
『サヨナラ…』
そう呟いて
図書室を後にした
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