DISTINY

□淋しい夜に思い出す
1ページ/1ページ


「同期?」

『そう、年は上だけど
同期は同期だもん
ちょっと嫌だな…』

「なんで?」

『だって…
比べられたくないじゃない?』

「…。」

『仕事できる人みたいでさ、
負けてるかもしれないけど
負けてるって言われたくない。』


会社に同期の転勤が決まって
光にそんな愚痴を溢した


「負けって…
何が負けてるん…?」

『え?』

「ま、誰かにとっては負けでも
俺はいつだって
俺は佳奈さんには
適わへんと思てるけど。」

『光…』

「俺にとっては一番やから。
ちょっとくらい自信
持ってもええんやない?」

『…ありがとう』

「佳奈さんは
佳奈さんのままで
ええと思うで。」

『そうだよね…』

「ほんま、どっちが年上なんか
わかりませんわ。」



そんな顔で笑われたら
何も言えない

大人びてるけど
笑顔は可愛くて…
どんな光も、大好きだって
心の底から思った

どんな辛いことがあっても
光が一番だと言ってくれる
私は私に自信を持っていたい


.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ