DISTINY

□隠せない想い
2ページ/2ページ


何回目かのラリーが途切れて
財前くんが口を開く


「ちょっと休憩にしましょ。」

『…うん。』


久しぶりのテニス
楽しくて懐かしい
いつの間にか
夕日が見える程時間が経っていた


「…本当だったんすね。」


買ってきたばかりの
ミネラルウォーターを手に
財前くんが戻ってきた


『え?…何が?』

「テニス部やったって。」

『…もしかして疑ってたの?』

「そうは言うてへん。」


笑いながら冷えた水を渡された


『…ありがとう、
いただきます。』


それに口をつけると
疲れなんて吹き飛んで言って


『私もレギュラーだったのにな…
今日は全然ついていけなかった。』

「当たり前っすわ。
現役のレギュラーやし、
負けられへん。」


そう言って
また笑ってくれた


『でも、楽しかった
…ありがとう。』

「別に、誘ったんは俺やし。」


その笑顔に
わかりやすく胸が高鳴る


「何か食べて帰りません?
…何か予定ありますか?」

『大丈夫、行こっか
…財前くんなに食べたい?』


私、財前くんのこと…

好きになってるのかな?



.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ