DISTINY
□気になるのは
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「なんや、財前
また図書室か?」
「悪いっすか?」
「そうとは言うてへん。」
「じゃあ別に…」
「放課後の図書室に
人なんて誰も来ないからって
図書委員の仕事
よくサボっとったん財前やろ。」
確かにそうやった
最近は何故か
真面目にやっとった
「急にどうしたん?」
「別に、何でもないっすわ。」
不思議そうにしている
謙也さんを置いて
俺は図書室に向かう
三崎さんにまた会いたい
そう思うと自然に
足がここに向いてまうだけや
でも、あの日から
一度も見掛けてへん
学校に来てへんのか
俺が会われへんだけなのか
今日もまた
誰も来ない放課後の図書室で
ヘッドフォンで音楽を聴きながら
あの日のことを思い出しとった
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