DISTINY

□大切な時間
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それまでも
割と頻繁に学校に遊びに来ていたけど
あの日からは少し
違うことを楽しみにしていた


『…じゃあ、
財前くんもそうなんだ?』

「せやな。
…三崎さんもなん?」

『うん!』


あの日以降
財前くんと図書室で逢うと
時間を忘れてた話していた
年下のハズなのに
大人びた彼は
それを感じさせなくて…
財前くんと過ごす時間は
次第に大切なものになっていった


「あ…」

『ん?…どうかした?』

「そろそろ図書室閉めんと。」

『ほんとだ。
…ごめんね、また話込んじゃって。』

『別に、話してるのは
俺も…嫌いやないから。』

『…うん。』


そんな言葉が嬉しかった
彼は失恋のキズを
癒してくれただけじゃ
ないのかもしれない…

そんなことを考えているせいか
彼女いるの?とか
好きな人は?とか
恋愛の話を振ったことがなかった

財前くんも
そういったことは
私に聞かなかったけど
その理由はもちろん
失恋したばかりだからとか
恋愛対象じゃないから
…なんだよね?



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