DISTINY

□出逢いは涙と共に
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『何で今日に限って
いないかな…』


そう言った声は
淋しく響いた

職員室でオサムちゃんが
出張だと聞いてから
フラフラ歩いて
辿り着いたこの場所

鍵がかかっている…
そう思っていたドアは
あっけなく開いた

静かな夕暮れの図書室
大好きだったこの部屋が
今はなんだか虚しい


『はぁ…』


どこにいたって
溜め息しかでない
だって…少し前に、
彼と別れたばかりだから

オサムちゃんと昔話でもして
考えないようにしよう
と思ったのに
結局1人でいる
そうなれば考えてしまう事は…

恋愛ってそんなものだっけ?
何だか長い一日だったな…


『何やってんだろう…』

何回目かもわからない
溜め息をついて
誰も聞いていないのに
口に出してそう言ってみた



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