不器用な相思相愛
□かの者の心は何処に…? そこに居るのは誰…?
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退院の日。診断や諸手続きを済ませ、俺は速攻で学校に向かった。
その日の午前中のうちに、与えられた課題をクリアし、千里を探すため、廊下を歩いていると、俺の探していた人はすぐに見つかった。
しかし、誰かと話しているようなので、しばし様子見。
「あぁ、千里君。何か今日、面白そうなことしてるね。せっかくだから、一緒に聞いていかない?」
そう話すのはAQUAのプロデューサーである、山田遥。
千里はそれに同意し、千里のマネージャーを含め、3人は"此方に向かって"歩き出した。
3人が此方の存在に気付いたとき、俺は挨拶をする。
「こんにちは。」
千里以外の2人は目を見開き、驚いている様子だった。
俺は、それに構わず千里に近づいた。
「どうした?」
千里がそういうと、蜜瑠は少し顔を紅らめながら答える。
「千里にはいろいろ…お世話になったから、お礼を言おうと思って。…本当にありがとう。…そんで、迷惑かけてごめん。」
「お前は迷惑かけてないだろ。」
千里はそういうが、わざわざ合間を縫ってきてくれた千里には、やっぱり迷惑をかけていると思う。
「でも…千里の時間を奪っちゃっただろ?」
うつむきながら言う蜜瑠。
千里は無言で、俺の頭を撫でた。
「/// 千里…。ありがとう…。」
直後、手をぱっと放す千里。
「/// いや。」