涙でかける橋…

□2章
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次の日、もう委員会の顔合わせらしい

『委員会かぁ…』
優「頑張んなよ♪奏くんとお近づきになれるチャンスよ!」

いつの間に名前呼びに…;と思ったが、『なに言ってんの』と返して、委員会の教室に向かった


せっかく教室で待ってたのに、天野くんが
「奏なら先に行っちゃったみたいだよ。ゴメンね;アイツばかだから」…と言っていた

『まったくさぁ…せっかく待ってたのに!』

ガラッ

教室には委員の人達が集まってきちんと座っていた

先「神庭〜少し遅れてるぞ〜」
『えぇ!?35分からじゃ…』
先「あっれ…おかしいな。30分からって鳴海に伝えたんだが…」

奏はくくっと笑っているのが分かる

『…(怒)すいません、遅れて』
先「いや、いいよ。始めようか」

ガタンッッ

男女で前後に並ぶようになっていて奏は前の列に座っていた

鳴「お前、自分で確認しなかったのかよ」
『だって鳴海…「奏。」え?』

鳴「俺さ、鳴海って呼ばれるよりも奏って呼ばれた方がいいんだよね」

『鳴…奏くんが35分って言うからじゃん!』

むっすぅと奏をにらむと「ゴメン」と笑いながら謝ってくれた


委員会は進んでいき、意見を言う場面になった

柚希はあまり意見を言うのは得意じゃない
男子に、任せようという女子の子は多いらしくて他のクラスは男子に言わせることになったようだ

『(私も、奏くんに頼も…)』

『奏くん』
鳴「お前が言えよ?」
『え?』
鳴「俺、言わないから」
『なっなんで!?』

鳴「めんどいし」

プイッと前を向いてしまう

『あっあたし…苦手なんだけど』
鳴「はぁ?」
『ぅ…』

6−1の番になってしまった

手に汗がにじむ
答えられない…顔が熱くなるのが分かった

ガタンッ

鳴「俺達のクラスでは賛成です。理由は―」


えっ……?


上を見上げれば、目の前に奏の背中
奏が…意見を言ってくれている

『奏くん…』

委員会はそのまま終わった。
奏は、さっさと教室にもどってしまう

『まっ待って!!』

教室に急いで戻り、ドアを開ける

『奏くん!』
鳴「俺、もう言わないから」
『えっ…?』
鳴「後の委員会、全部お前言えよ?
1回言ってやったんだから。
じゃぁな」


ランドセルをしょい、スッと柚希の横を通り過ぎていってしまう奏


『……っむっかつくぅぅぅぅ!!!!』

やっぱりムカつく!!
カッコいいとか思った自分がアホらしい!!


天「あれ?柚希ちゃん…って何してんの?;」

『はΣ!!!?』

柚希は奏のイスをガシガシ蹴っていた所だった

『こっ…これは違っ!』
天「ぷっあはは!柚希ちゃんらしいね。2トップのイスを蹴るなんてさ」

事情を慌てて説明すると、天野は吹きだしていた

天「奏がねぇ〜でもアイツ、したくないって思ったらとことんやんねーヤツだよ?」

にこっと笑いながら話してくれる天野
どういう意味…?

『えっ?』
天「じゃぁ、またね♪」


ピシャンッ

教室のドアが閉まる音だけが、耳に残っていた…


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