海賊
□つまり愛とは殺す事だと感じとったヒロインと桃鳥
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「惚れてる人間に死ねっつわれたらどうするよ?」
それは何気ない質問だったのかもしれない。
何時ものようにソファーに座りながら本を読んでいる名前に問いかけられたその質問。彼女はそんな質問を本を読みながらもちゃんと聞いており、一度その質問をしてきた相手、ドフラミンゴへと視線を送る。
此方を見ずに天井を見ているドフラミンゴは只の退屈しのぎなのだろう。
読みかけの本を閉じたりはせずに、また視線を本に向ける。
「死ぬんじゃない」
「フフッ、お前は死ぬのか。そうか」
「……何その反応。苛立つ」
チッ、と舌打ちをしてまた本を読むのを再開する名前。きっとそんな事出来るのは彼女だけなのだろう。名前が舌打ちした相手はそれでも王下七武海の一人であり、実力もそして地位も名誉も持っている男なのだから。
だがしかし、そんな事をされてもドフラミンゴは天井から彼女へと視線を動かし何時ものように口元を弧の形のようにして笑うのだった。
勿論名前はそんなドフラミンゴの表情に気付く訳がない。ただ黙々と本の続きをソファーに座りながら読んでいた。
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