海賊
□青色の鳥=不死鳥のイメージが強いヒロイン
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雲があるのにこの空は曇り空ではなく、
太陽があるのにそこは蒸し暑くもなく、
とにかくその空はよくわからない空という事と、丁度いい空だという事がわかる。
「何見てんだよい?」
「………あっ…」
その時に空を見る名前の集中力が途切れた。次に彼女が見たのは壁に寄りかかっているマルコ。
名前はマルコの方に目線を向けて呟いた。
「マルコ隊長……」
「よう。こんな所で堂々とサボりかい?」
「………いえ、」
自分達の上にある空とは反対の冷たい態度は、この空以外今は注目が出来ないから。だから名前はまた空を見上げた。
太陽の光が眩しいのか…目がか細い様であった。
けれども眺めるのは楽しいのか、それともつまらないのか……それは名前にしかわからない事。
彼女を見るマルコもまた、空を見上げた。
「どれどれ……何かいんのかよい?」
「………………。」
「……ああ、鳥がいるねい。」
「…………はい……」
意味があるのかわからない会話。けれどどこか和みがあるのがわかる。
此方の方に歩いて向かってくるマルコ。それに向かって吹くは風。それは柔らかい風が。
とてものどかな今日この頃。それを楽しむのは二人以外にも沢山いるだろう。
鳥の鳴き声が聞こえ、海の波の音が聞こえ、清々しい気分だ。
「…………あの鳥、」
「あん…?」
ふと名前が呟いた言葉にマルコは気がついた。
名前が指差す先には鳥が複数飛んでいる。
それを見つけ出したマルコは鳥を見た後に名前の方を見た。
「あの鳥がなんだよい」
「………………。」
けれど彼女は答えずに腕を下ろした。
モディービック号よりも速く飛び何処までも行くその鳥たちはどこか愛らしい感じがした。
マルコはそのまま、そんな鳥たちを…空を見続けている名前を見る。
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