gift

□みそっこ様へ
1ページ/2ページ

「Luckyflog」のみそっこ様へ捧げる相互記念文です><みそっこ様のみお持ち帰り可
煙鰐のリクエストを頂きました♪ややほのぼの系?みそっこ様駄文で失礼致しますっ!!(/脱兎)

















「海軍ってのは客人に茶の1つも出さないのかね?」

呼んだ覚えは無いんだがな。

海軍本部、スモーカー大佐の自室、その応接用とは名ばかりで基本的に残業時のベッドと化している黒塗りのソファに座る男を睨み付けながら声に出さずに頭の中でそう呟く。
対してソファに座った男…黒塗りのソファに負けない程に黒いコートを身に纏いベスト、スカーフをこれでもかというほどにキッチリと着込んだ男はスモーカーの鋭い視線を受けてなお余裕の表情を浮かべたまま悠々と口にくわえた葉巻から煙を吐き出した。
スモーカーの口にも同じものが2本くわえられているが何ということもない。
「目の前の男の葉巻はスモーカーのもの」なのだから。

海軍大佐である彼の名誉のために言っておくならば、彼と男…七武海である海賊、サー・クロコダイルとの間に特別な関係はない…だろう。

そう、例え男が七武海の定例会議の後にわざわざスモーカーの部屋を訪ねて来たという事実があったとしても、海軍の彼と海賊の男の間に特別な関係があるとは言えない。
例え定例会議が無くとも訪ねてくるとしてもだ……いやいやあくまでも彼の海軍としての名誉のために。

「……客には出すがな。少し黙ってろ。俺はテメェに構ってやってるほど暇じゃねぇ」

答えるスモーカーのデスクには書類が左右に分かれて4つの山になり積まれている。
あまりに乱雑な積み方によって形成された山は僅かな衝撃でも崩れてしまいそうに見える。

ふと山が崩れたら窒息死するのではないかと考え、書類の主が能力者だった事を思い出した。

「随分と酷い扱いだ…しかし…全く君のデスクには常に書類が積まれているな」
「テメェが常にそういうタイミングで来やがるからだと分かって言ってんのか…?」

クロコダイルが訪れるのは決まって書類の提出期限の2日前だ。
一体どこでその情報を仕入れて来るのかまでスモーカーには分からないが、ペースもバラバラの提出期限に合わせて必ずやって来る。そして…

「失礼しま〜す、スモーカーさん珈琲をお持ちしましたっ!どうぞ……あれ!クロコダイルさんっいらしてたんですか?」

…こいつだ。
騒々しく部屋に現れた自分の部下の姿にスモーカーは頭痛がして来るのを感じた。
目の前に置かれた珈琲カップに手を付ける気にもなれずただ書類を睨む。

「定例会議ですか?お疲れ様ですっ」
「…君か。丁度良かった、土産をと思ってね。…確か紅茶は好きだったな?たしぎ少尉」

書類に頭を悩ませるスモーカーをよそに問題の2人は和やかな空気を生み出していた。

「やっと名前覚えて下さったんですねっ…て……わぁ…!!これってノースブルーでしか手に入らないウバ茶葉ですよね…!?良いんですかこんな高級品…!」
「良く知っているな。あぁ、出来ればそれで一杯淹れてくれたまえ」
「はいっ!…ってあれ…ああっスミマセンっ!!お客様にお茶も出さずに…!すぐに淹れて来ますね!」

バタバタとたしぎが部屋を出て行けば部屋には再び静寂が訪れる。

「…良い部下じゃないか」
「黙れ」

クロコダイルの嫌味を一蹴し書類にサインを叩き付ける。
そう、クロコダイルは良く訪れるがそのどれもに用事といったものが存在しない。

大体本来この男が此処に来る事自体が異質なのだが、すっかりそれに馴れた自分の部下は突然クロコダイルが現れたとしても怪訝な表情1つしない。

それもそれで問題だとは思うのだが…部下達の中にはもはや七武海が本来自分達と敵対する海賊であるという認識は薄れてしまっているらしい。

たるんでやがる。
大体、定例会議が終わったまで本部内をうろつかせるとは上層部は一体何を考えている。
あくまでもこの男は海賊だろう。

「スモーカー君、手が止まっているが…?考え事かね?」
「………」

気がつけば目の前にあった顔に目を見開くも声を上げるような真似はしない。

デスクに片手をつき僅かに身を屈めてこちらの様子を伺いみるクロコダイルはスモーカーでなければ殺されると錯覚するほどの威圧感を持っているが、決して威圧している訳ではない。
それどころかその滲み出る殺気だったオーラさえ物ともしなければ妖艶な色気さえ持っている事が分かる。

上部のジジイ共に人気がある訳だ。道理で本部内を自由に歩き回っても問題にならない。

そこまで考えたところで急に不愉快になり相変わらず怪訝そうにこちらを伺う男に手を伸ばし後頭部を捕らえて引き寄せる。
そのまま押し付けるように口付け舌を差し入れれば抵抗も無くそれは受け入れられた。

「…っん…ふ…」

舌と舌とが絡み合い唾液の混ざる卑猥な水音に頭に上がった熱が和らいでいく。

「…んぅ…っあ…すも…かぁ君…」

上顎を舐め上げてから短い口付けを終えれば僅かに濡れた物足りなさげな瞳を向けられ甘く名を呼ばれるもそれには答えず頭を引き寄せながらワザと声を低く落とす。

「……テメェは俺の獲「お待たせしましたっ!!……あっ!!」
「〜〜!!!!!」

言葉の途中に勢い良く開いた扉に慌てて後頭部に回していた腕を引けばその肘が書類の山を無残に崩した。
宙を舞う書類に思わず絶句するとテーブルに紅茶を置いたたしぎが駆け寄る。

「すっ…スミマセン!!私がノック忘れたから…っ!」
「…いや…いい」

バラバラと床に舞う書類にズキズキとした頭痛が蘇る。
慌てふためき書類を拾い上げるたしぎとは反対に当事者の1人であるクロコダイルはソファに戻り淹れて来たばかりの紅茶を楽しんでいる。
 
 
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ