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□御紹介致します。
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ロビン独白ロビン目線で語って頂きます。会話の相手は勿論ピンクの彼です^^
あら、こんにちは。珍しいわね、まだ前回から数日しか経っていないんじゃなかったかしら…?
聞きたいこと…私に?そうね、答えられることでしたら…どうぞ?
え…?彼と私の馴れ初め?
ああ、ごめんなさい、馴れ初めじゃなくて出会い…ね。
いいえ、構わないわ。丁度退屈していたの、店内も安定しているし私の仕事も無かったから…
彼は丁度出ているの。店内で立ち話もなんでしょう?中でお茶でもいかがかしら?
ふふっ、ではこちらへ。
お掛けになってミスター。部屋の主が帰って来るまでにはまだ時間があるわ。
そうね、どこから話そうかしら…
彼と出会ったのはもう4年前くらいになるわね…あなたはご存知だと思うけど、ここに来るまで私、色々なところに身を寄せていたの。
基本的には海賊団に潜り込んで身を守っていたわ、理由はご存知でしょう?あなたなら。
ふふ、良いのよ別に。あなたが他言しない事くらい分かってるつもりだから。
はい…どうぞ、カモミールティーはお好きかしら?
とにかく、海賊団に紛れて偉大なる航路に入ったまでは良かったんだけど…とある島に来たところで海賊団は壊滅したわ。
いやだ、私のせいじゃないわ、その時はね。
みるみるうちに船が崩れていくの、私は能力を使って島に先に上陸したけれど、まだ船に残っていたクルー達が何か叫びながら海に飛び込んでいくのを見たわ。…あら、良かった。お口に合ったなら何よりよ。ふふっ、火傷にはお気をつけて。
それで…飛び込まなかったクルーは悲惨なものよ。
遠目でしか見えなかったけれど、人がね、崩れていくの…分かるかしら?
最後には船も人も砂になって海に消えたわ。
私はそれを港に立って眺めているしかなかった…
海に飛び込んだクルーが命からがら波止場に上がって来るのが見えて駆け寄ったの。
正直な話、クルーの安否が気になった訳ではなかった。
私は…その男を殺しに行ったのよ、海賊団が壊滅してしまった時点で私の寄り代はなくなってしまった。
生き残りが出てしまうことは今の私の存在を知る者が出てしまうことに直結するわ、それは避けなければならない。
だから彼の方へ駆け寄ったの。
大体後10メートルくらいまで近寄ったところだったかしら…突然人が現れたわ。
本当に急に。
風が人の形をかたどっていくようにして現れた男がクルーの喉元を掴み上げて、私は動けなくなった。
クルーが足をバタつかせているのを見て男が随分大柄な人だと分かったわ。
190センチ程もあったクルーが宙に30センチ以上も浮いてバタバタしているのよ?
大男が突如現れた。
それだけで私の足を止めるには十分だったわ。
逃げなければと思ったのだけれど私の目は2人に釘付けだった。
そこからは不思議な光景だったわ。
みるみるうちにクルーの男が縮んでいく…まさに縮んでいくって表現がぴったりだったと思うわ。
ふふっ、えぇそうね。
今なら『枯れていった』と表すけれど。
当時は分からなかったのよ。
…私の10メートル先でクルーのミイラが完成したわ。
逃げなければと思う程に足が震えて駄目だった。
こんな状況慣れているはずなのにもう男のもつ空気に気圧されてしまっていたのね。
私が立っているだけで精一杯でいる間にもミイラはさらに変貌していって…男の手の中でサラサラと崩れたわ。
人が。風に溶けるようにサラサラ…って。
死んだ人の灰を撒くようなイメージかしら。
………?あら、火葬をご存知ないのかしら?
東にある国では死んだ人は埋めずに焼くのよ。それで骨だけ埋めるの。
………………
…………
……乾いた砂が風に舞う姿が浮かべばそれでいいわ。
妙な喩えを出してごめんなさい。
完全に砂が風に消えてから、彼は私を見たわ。
それでこういったの。
「…なんだ、まだ居たのか」
ふふっ、信じられるかしら?
彼が私に向けた第一声がそれだったの。
私とっさに何も答えられなかったわ。
だってそうでしょう?
私は彼を追っ手だと思っていたんだもの。
それなのに彼ったら、私のことを冷たい目で一瞥して
「悪魔の子か…」
って。ただ一言そう残して風に溶けて消えたわ。
自分の身に起こった事が理解出来なかった。
私、生き残るための知識はとにかく学んで来たから、当然海軍の事なんて凄く勉強したのよ。
だって、私を誰が狙っているのかを知っておかなければ命が幾つあっても足りないから。
当然、七武海の事も知っていたわ。
彼が私を見て顔を走る傷を見た時、すぐに誰だか分かった、勿論敵だと思って死を覚悟したほどよ?
なのに彼は行ってしまった。
「悪魔の子」
そう私を呼んでおきながら…私が誰だかを分かっていながら何もせずに行ってしまったの。
これが私と彼の出会いよ…お分かり頂けたかしら?
ふふっ、ごめんなさい。少し意地悪しただけよ。
その後の事でしょう?
単純だと思われるかも知れないけれど、私寄り代にしていた海賊団を壊滅させられたばかりだったでしょう?
だからって訳じゃないけれど…
新しく身を隠す場所が必要だったのよ。
ええ、その通りよ。
街まで歩いて来るとそこでは彼の噂が絶えなかったの。
砂漠の英雄、街の守り神…なんて、海賊がよ?
…え?えぇそう、私が上陸したのは此処、アラバスタよ?…嫌だわ、あなた今までどこでの話だと思って聞いてたのかしら?
…紅茶のお代わりはいかがミスター?…あら、そう?
ふふっ、もう少ししたら彼も戻って来るわ。
とにかく。
私は身を隠す場所が欲しかった。それで、賭けのつもりで彼を訪ねたの。
彼に会うのはそれほど難しい話じゃなかったわ。
国の人達は皆親切で、人を疑うなんて知らないような目をしていたんだもの。
彼に助けて頂いてどうしてもお礼が言いたい、そう伝えたら簡単に案内してくれたわ。
私の来訪に彼は驚いた風も無かった。
もしかしたら予想していたのかも知れないけれど、それは彼にしか分からないわね。
とにかく。
彼の経営するカジノ。そこで始めて私は彼と対峙して立ったのよ。
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