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□※強き敗者は艶美に嘲う
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頂上戦争の直後の話としてお読み下さい。
煙鰐で鰐が性悪で黒めです。煙が錯乱したようです←(注:異物挿入)
お互いに愛はありませんが煙→→←鰐な感じ?ついでに言えばダズ→鰐です(酷
本番入るまでが無駄に長いです←テメェ

オッケィな方のみどうぞっ!!↓↓↓



















聖地マリージョアでの戦争は海軍、海賊どちらも大きな痛手を受けたが結果としては海賊側の敗戦に終わったと言える。
海賊側の救出対象にあった海賊王の息子火拳のエースはおろか、海賊王に最も近いと言われた白ひげことエドワード・ニューゲートの死をもって戦いは幕を閉じた。

海軍側からすれば長年追い続けた海賊王の子孫の首に加えて、この海で最強を謳っていた男の首までもを捕ったのだから大勝利とも言えるかも知れないが、中将格を含む将校クラスの人間が揃って浮かない表情をしているのには訳があった。

その1つは火拳のエースの弟を名乗った、革命家モンキー・D・ドラゴンの息子である麦わらのルフィの存在であり、かの男は不落の城であったはずの大監獄インペルダウンに知れず侵入しまんまと逃げおおせたどころかあろう事かマリージョアでの戦争にまで「兄を助ける」という理由の元食い込み、そして生き延びた末恐ろしい億超えルーキーの1人であった。

結果、難攻不落のインペルダウンの名に傷がついてしまった訳だが、将校が揃って頭を悩ませているのは何も名に傷がついたからではない。

問題は、レベル6、5、4様々な檻から凶悪な海賊共がインペルダウンでの混乱に乗じて大量に脱獄してしまった事にある。
特にレベル6の住人などは本来二度と日の目を見る事も叶わず大監獄の地下深い檻の中でその存在を地上から忘れ去られながら死んでいくはずだったのだ。
その檻の中で悪趣味としか言いようの無い殺し合いをさせ生き延びた者のみを連れ出し、此度の戦争にて史上初の2つの実の能力者となった黒ひげマーシャル・D・ティーチもまた海へと逃げてしまった。

こうして、2つの強大な悪を葬った代わりに世に送り出してしまった凶悪犯共、果たしてこれが海軍側の勝利だったのかと言われれば将校クラスの人間誰一人として首を縦に振る事は出来なかった。

『時代が代わる』

とは良く言ったものだ、その原因を作ってしまったのはこちらなのかも知れない。
間違った事をしたつもりはない。
悪は滅びなければならずそれをするのが仕事であり誇りなのだと誰もが理解はしていたがそれを堂々と口に出来るほどに浮ついた気持ちで居られない将校達の気はただ鉛のように重かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
大きな戦いの爪痕を残し復旧作業に忙しいマリージョア佇むレッドラインを超え新世界の海を幾らか渡った先にある穏やかな天候の島に、かの戦争に大きく関わり新世界へと入った1人の男が同じように付き添った彼の部下と共に上陸した。

天候は快晴であり、湿気を極度に嫌う彼も傍目には非常に分かりにくくはあるが常時より幾分か御機嫌らしかった。

男の機嫌が分かりにくく感じられるのは彼が一般人から見れば非常に体格の良い大柄な男で大層人相が悪いからだとか、爬虫類のように温度を感じられない黄金色の瞳がとてもじゃないが上機嫌には見えないからであるとか、顔を真一文字に横断する傷が悪人面を益々強調し、それを見る事さえ恐ろしく憚られたからだとか、聞けばまだ出て来るであろうが要は彼自身を見たところでその表情にさしたる変化は無く、簡単には読み取れないと言うに尽きる。

だが彼、クロコダイルはやはり機嫌が良いのだと彼の部下であるダズは確信していた。
それは口にくわえた葉巻が僅かに上下に揺れる様だったり、通り過ぎる店のショーウィンドウをふと見ては「ちょっと違う」とでも言いたげに小首を傾げる仕草であったりとその一つ一つは微弱なものではあったが、それに何とか気付く事が出来るほどには彼の事を見ているとダズは自負していた。

それは自分自身が彼を「ボス」と呼び命を預けた上司であった事もあるが、そこに尊敬やら憧情意外の感情が含まれていることはダズ本人は自覚している。

彼を恋慕してやまないのだと。

敬愛、恋情、恋、表し方は様々であろうがそんな生温いものではなく、「彼」という存在そのものに魅せられどうしようもなく惹かれてしまうのだ。
恐らく彼自身も自分の想いに気付いているだろうと相変わらず機嫌良く2歩前を歩くクロコダイルを伺いながら気付かれないように小さく息を吐き出した。
頭の良い彼が気付かないはずが無い、気付いている上で何も言わないのは自分の想いを受け入れる気は無いが使えるので傍には置いておくという事なのだろう。
それは常人からすれば非情な事かも知れないが彼に尽くすと決めているダズにはそれで十分と思えるものであった。


かくして愛されるべき人でなしとその部下は上陸した島の中心街で見つけたそれなりに上質なホテルに日暮れと同時にチェックインしたのだった。
 
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