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□革命前夜のイントロ
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友達ってなに。


愚痴の吐き場所?
自慢を聞いてくれる都合のいい場所?



同意しか求められない、すべての質問
の答えはそうだね、しかない。気に入
らないものがあったら仲間に知らせて
他の人たちも"気に入らない"ことにす
る。
まるで宗教かというほど。何をするの
もどこに行くのも一緒。
することもいつも変わらない。SNSに
自慢のように写真を乗っけて楽しんで
るシーンをみせびらかしてるように見
えて結局は自分が、自分だけが主役だ。
でも一人でいるのは寂しい、だから周
りに複数の同性たちを置いて過ごす。

それが友達というものなら、


私はそんなものいらない。
自分がいつか腐って、ヒトのかたちを
した他の何かになりそうで。
いらない、イラナイ。ひとりでいい、
ひとりでも私は大丈夫。
あの子たちとは違うんだ。




「じゃあなんでそんな寂しそうな顔し
てるんすか」



「ほんとは"友達"っていう赤の他人に
必要とされたいんだろ」






「いつまでつまんない言い訳つけて閉
じこもってんすか」






うるさい、うるさい、うるさいうるさ
い。




最後に傷つくのは自分なんだ。
嫌われたんじゃないかとかひとの顔を
窺いながら生きるのは嫌なの。
陰で悪口をささやかれているじゃない
か、ここではどんな対応したらいいの
か、そんなことに気を遣っていたら本
当にじぶんがジブンじゃなくなっちゃ
う。



放っておいてよ。


おねがい、これ以上苦しませないで






「あんたは何もわかってない。だから
まずは俺と、ともだちになってみて?」






きっと変わるはずだから。






革命前夜のイントロ



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