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□待ち惚け
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「遅い!!」
遅い遅い遅い遅い遅い遅い!!!!
遅すぎる!!!
久しぶりにできた、部活の休みは
ふたりっきりで映画を観に行こうと前から約束していた。
嬉しくて20分くらい早く来てしまったんだけど
もう、約束の時間から40分過ぎている。
「来てくれないのかな…。」
だんだん、不安になってきて
涙が溢れそうになってきた。
確かにいつもブン太のほうが余裕そうだし
いつも、あたしが一方的にムキになってる気がするけど
こんなのってないよ
「お待たせ。待った?」
「ううん、今来たとこだから、大丈夫だよ。」
別の男かよ!!
紛らわしいこと言うなっての
もう、50分を過ぎる
帰ろうかな…。
そう思って、来た道を戻ろうとしたら
見たことのある、真っ赤な髪が
きれいなお姉さんに絡まれてる!!!
「君、カッコいいねーあたしとどっか、行かない?」
「あぁ〜、」
そのまま、どっか行ってしまえ!!
心の中で叫ぶ
本当は頭の中ぐちゃぐちゃになってるけど
「わり、俺の将来の嫁さん待たせてるんだわ。」
待 ち 惚 け
惚れ直しただろぃ?
ば、馬鹿ッ!!!
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