短短編。
□NT短編集
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『読書。』
「この前借りた本を返しにきました」
「おぅ、わざわざありがとな。
それにしても読むのに随分と時間がかかったじゃねーの」
「何度か読み返しましたから…」
「おっ、そんなに気に入ったか?この本。」
「…まあ、それなりには」
「俺はこの本、けっこう気に入ってんだよな〜。
話の展開知ってても、飽きずに何度でも読めるんだよ」
「何度でも?」
「ああ。つか、ティエリアも読み返してみて全然飽きなかっただろ?」
「………。」
「ん?」
「…えと、もう一回、この本借りても良いですか?」
「え?まあ、良いけどよ。
どうした?読み足りない所でもあったのか?」
「…まぁ、そんな所です」
(ロックオンが読んだ本だと思うと、何ていうか…手放したくなくなるんです、
…なんて、絶対言えない。)
今夜もきっと、貴方に借りた本を抱きしめて眠る。
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