BL

□39度。
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室内には、俺達2人しかいなかった。


当たり前だ…、俺が深夜にもかかわらず、ティエリアの部屋に押しかけてきたのだから。


「………っ、」


肌が、熱く火照る。


体の奥が、疼く。


思考が、…飛びかける。


どうしようもなくなって、目の前にいる華奢な身体を抱きしめた。



「………なぁティエリア、俺もう…無理みたいなんだけど」



耳元で囁いた。


ついでに、自分の息が熱くなっていることを自覚する。



「無理って…、何がですか」



か細い声が腕の中から聞こえてきた。


戸惑いが伺える声色だった。



「……我慢出来ねーってことだよ」



思ったことをそのまま、率直に言い放つ。


……正直、こうして会話していることすらもどかしい。


もう…色々と無理だった。


限界だ。



「……このまま、ベッド行ってもいいか…?」



「…!」



俺の言葉に華奢な身体が、びく、と小さく震えた。


………躊躇ってんのか。


けど、悪いがもう自分じゃどうにもならない…。


俺は抱きしめる手を緩め、ティエリアの顎を指で持ち上げて、視線を合わせた。


瞳を真っすぐ見つめながら、俺は言う。




「…………いいだろ?
…………もう、………俺…、
…………………無理無理もう無理なんだわ、すげー気分悪いし頭痛ぇし絶対コレ風邪だわ、頼む寝かせてくれっ!!!」




思わず半泣きになりながら、現状を必死に述べてみた。


もう無理だ!!


絶対これ熱出てる!!


ヤバいって!!


なのにこんな時に限って俺の部屋の空調壊れたんですけど!!


熱すぎて寝られねーっつーか生命の危機すら感じるサウナ部屋になってんですけど!!!!!


「頼むっ、お前の部屋のベッド貸してくれ!!」


大人げ無いことを承知で頼み込む。


…わー、今の俺すごくカッコ悪いなー。



「――どうやら貴方にはマイスターとしての自覚が足りないようですね…」


半泣き状態の俺の耳に突如、ティエリアの高圧的な声が聞こえてきた。


こちらが返事をする暇もなく、ティエリアが俺を強引に押しのける。


それから間を置かず、上から目線で俺に言い放った。


「日頃の体調管理がなっていないから風邪など引くことになるんです!!まったく、貴方は万死に値しますよ!!」


「……………。」


まあ、確かに万死に値するかもしれんが……。


つーかそれよりティエリアに押しのけられた方が悔しいぞ……。


ティエリアの身体って何か体温低いから、抱きしめると気持ちいーんだよなぁ…。


名残惜しくてティエリアの目をじーっと見つめたら、ティエリアが顔を赤くして目を逸らした。


恥じらうティエリア…写メりてぇ。


ぼーっとする頭でそんなことを考えていると、ティエリアが赤くなりながらも俺をビシッと指差して言った。


「…とにかく!!貴方は自己の体調管理を怠ったことを反省すべきだ!分かりましたか!?」


「……お前さんはそう言うけどよ、なーんか俺の記憶ではティエリアも大分前に体調不りょ、」


「僕はあの後きちんと反省をした」


「………。」


反省すりゃ良いってもんでもない気がするんだが。






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