BL

□ごろごろしたい。
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部屋には電子ロックがかかっていた。


「……………」


パスワードなら知っていたので手早く入力し、電子ロックを解除した。


先に言っておくが、僕は別にニールのストーカーではない。


ただ、ちょっとした偶然でニールの端末にハッキングをした時、ちょっとした偶然でパスワードを知っただけの話だ。


そう、全ては偶然だ。うん。


……む。


考えてみれば僕が大量のニール画像を所持していることも、ちょっとした偶然だったような気がする。


うん。きっとそうだ。よし。


………ではこの不法侵入もただの偶然ということで………。


開いたドアからニールの部屋へと入る。


真っ暗だったので1番小さな電灯だけを点けた。


部屋の中が適度に明るくなり、全体が見渡せるようになった。


…なかなかに小綺麗な部屋だ。


シンプルだが、物がごちゃごちゃしていなくて過ごしやすそうな感じがする。


小さな本棚が置いてあり、彼の読書好きが伺えて親しみやすい。


ベッド上に巨大なハロ型クッションがあることが半端なく気になるが、それはご愛嬌ということで。


「……………。」


完全に部屋の中に入ってから、ドアを閉めて電子ロックをかけた。


……ふふふ。これでこの部屋は僕のものだ。


………………。


…………。


………我ながらイタかった。


しかし、満身創痍である今の僕に正常な判断など出来るはずもない。


僕が次に起こした行動は、ベッドへと向かうことだった。


ふらつきながらも、なんとかベッドの元へ辿り着く。


「……………。」


ぼふっ、、、


と。


ベッドに思い切りダイブした。


……思いのほかふかふかだった。


いや、まあ、ベッド自体は僕の部屋の物と全く同じなのだけれど。


気持ち的な問題でふかふかな感じがする。


「………ぁー…」


枕に顔をうずめて深呼吸した。


ニールの髪の香りがした。


「……………」


とりあえずもう1回深呼吸しておいた。


……。


やっぱりあと3回ほど深呼吸しておこう。


と、その時。


僕の脳内に唐突にある考えが浮かんだ。


閃光の如く。


「……はッ、…も、もしや…!」

すかさず掛け布団を頭からかぶってみた。


「………!」


……ゃ、やっぱり、こうすると全身がニールの香りに包まれてる感じがする………。


………し、


至福にも程があるぞ。


僕を幸せ死にさせる気なのか!!


「……ニールっ」


何だかテンションが上がってきた。


ものすごく上がってきた。


さっきまでの疲労感は何処かに吹き飛んだらしい。


どうやらニール成分の補給が完了したっぽかった。






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