BL

□貴方と添い寝。
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ふと、ティエリアが疑問符満載な表情で俺に問いかけてきた。


「この場合の羊って…、どんな羊を想像すればいいんですか?
色は白ですか?
あ、体毛は白だけど皮膚自体は黒という羊もいますよね?
というか体毛が既に刈り取られている状態の羊ですか?
それとも刈り取られていない状態の、」


「どんな羊でもいいから!!(焦)」


どんだけリアルに羊を想像しようとしてんだ!?


「…ていうかそもそも、どうしても羊じゃなければいけないのですか?犬や猫じゃダメなんですか?」


ティエリアが、不満そうというよりも純粋に疑問に思っている感じで質問してきた。


「え。…うーん、どうなんだろな、羊だと見た目がふかふかで和むから、リラックス効果があるんじゃねーの?
ま、基本的に数えられるものなら何でも良いと思うが」


超テキトーに返事してみた。


「……ふむ。しかし羊以外で大勢の群れをなす動物というのも、いざ考えてみると意外に思いつけませんね…。
しかも羊よりもリラックス効果の高そうな動物となると…」


自身の顎に手を添え、思考に没頭するティエリア。


…こんなに近いっつーのに俺はとことん無視なのか。


ティエリアと至近距離に居るせいでさっきから心臓どきどきしまくってる俺は、悲しくて涙が出そうなんだが………。



「………ペンギン……。」


しばらくしてティエリアがぽつりとそう言った。


「ペンギンなんてどうでしょう!」


やたら嬉しそうに言うティエリア。


……わー、瞳がキラキラしてるよこの子。


「…いいんじゃねーの?確かにペンギンって凄い数の群れになったりするし?見た目癒し系だし?」


テンション絶不調で言う俺。


ティエリアの前でこんな状態の俺ってかなりレアだぞ…。


「ですよね!じゃあペンギンを数えることにします」


と言いつつもやっぱりイマイチ数え方を分かっていないのか、戸惑うように俺をチラ見するティエリア。


…頼りにされるのは普通に嬉しい。


「いいかティエリア、こんな風に一匹ずつ数えるんだ。
羊……じゃねーや、ペンギンが一匹、ペンギンが二匹」


「ペンギンが一匹、ペンギンが二匹…、」


「そうそう。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」


何故止まる!!


「しょうがねーな〜…。俺が一緒に数えてやるよ。三匹目から始めるからな?
せーの、ペンギンが三匹、」


「…ペンギンが三匹、」


慌てて言うティエリア。


『せーの』の意味わかってますか?ティエリアさん…。


「………。もう1回いくぞ。せーの、」


「「ペンギンが四匹、」」


お。いけた。


なんとなく感動。


「「ペンギンが五匹、」」


「「ペンギンが六匹、」」


「「ペンギンが七匹、」」







1時間後。



「「ペンギンが1211匹、」」


「「ペンギンが1212匹、」」


「「ペンギンが1213匹、」」


「……。あの、全然眠くならないんですが。」


「……。確かに。」


おかしいな……。頭の中で想像したペンギンはかなりの癒し系だし、暇な作業してるから眠くなるはず……。


……ペンギンよりハロの方が良かったのかもしれない。






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