BL

□融解しそう。
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「とか言ってる間にカーディガン没収〜」


ボタンを全てはずされ、カーディガンを無理やり脱がされた。


「っ、!?」


そのままシャツのボタンもはずされる。


器用だからなのか、あっという間に全部はずされた。


肌があらわになる。


死ぬほど恥ずかしい。


「……さ、…寒い。」


とか、


混乱しすぎて、かなり場違いな台詞を口走ってしまった。


僕のその言葉に、何故かニールがにっこりして言う。


「なら暖かくしてやるよ」


「……ぇ?」


ぎし、とベッドが軋む音がして、


ニールが更に僕に接近する。


本当にすぐ目の前に彼がいて、


苦しい位に、心臓の鼓動が速くなる。


「…つーか……、もういっそこのまま俺しか見えなくなればいいよ、ティエリアは」


静かだけど熱の込もった声で、ニールが囁く。


その声に反応して、体が熱くなった。


ニールが僕の髪を優しく撫でながら、言葉を続けた。


「…いつでも俺のことを思い出さずにいられなくなるくらい……、
それこそトラウマになるくらいに、俺を刻みつけたい」


「………、」


え。


どうしよう。


どうすればいいんだろう。


トラウマ……って。


刻みつける……って。


どういうことだろう。


混乱して頭が、…体も、上手く動かない。


……とりあえず。


このまま流されると、とんでもないことになる気がした。


明らかに全年齢対象じゃない出来事が起こる気がした。


…駄目だろう、それは。(焦)



「に、ニール、あの、僕、急用を思い出したので……っ」


下手な言い訳で脱出を試みてみる。


「…へぇ〜〜〜、ティエリアに俺より優先順位の高い用事なんかあるんだ?
………無いよな?」


言い訳は笑顔で切り捨てられた。


……………えぇー。


「ここまで来て逃がす訳ないだろ。
……いっそベッドに縛りつけたほうが、俺がどれだけ本気か理解出来るか?」


「え。」


頭の中が一瞬真っ白になった。


それからすぐに真っ赤に染まる。


コンディション・オールレッドな気分だ。


「むむむむ無理です、無理です色々と!!」


「何が無理なんだよ?大丈夫だって、これ以上無いくらい優しくしてやるから」


「でもさっきトラウマがどうとか言ってましたよね!?」


「優しくトラウマ作り!!」


にこにこ笑顔なニール。


「…って、結局作るんですか!!(泣)」


「涙目ティエリアとかもう最上級に可愛いわ。もっと泣かせたいな〜〜」


「えぇえー!?」


「つーか、むせび泣かせたい」


「えぇぇええええ」


「監禁したい!!」


「……………」


もはや言葉が出ない。


二の句が全くつげない。


Help me!!


「なんだよもう無言で口ぱくぱくさせてるティエリアも可愛いぞ!!
何?キス?キスが欲しいわけ?」


違う違う、そんなんじゃない!!


っていうか貴方、違うって分かってて言ってるでしょう!!


って言いたいけど声が出ない。


しかも直後に口を塞がれた。


何度キスすれば気が済むんだこの人は!!!!!


「〜〜〜〜っっ」


さっきよりもキスが深い。


というより激しい。


……気がする。


内側から溶けてしまいそうなくらい熱いキスに、目がくらむ。


息継ぎみたいに一瞬だけ口を離して、それからまた重ねられる。


もう……色々とキャパオーバーだった。


脳内が飽和状態だ。


………大好きな人に、こんなことされているんだから…仕方ないのかもしれないけれど。


ふとキスが唐突に終わる。


さっきよりも短いキスに微妙にがっかりしている自分に、心底嫌気がさした。


心の余裕が全く無いくせに、どうして僕はキスしてもらいたがっているんだ。


身勝手すぎる。馬鹿じゃないのか。


…自己嫌悪。



「………なぁ、ティエリア」


熱っぽい目で僕を見つめながら、ニールが言葉を発した。


「は、はい」


どもりながらも返事をする。


…今度は何を言われるのだろう。






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