BL

□表には出さないけれど
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「そっか。なら良かった」


ほっとしたように柔らかく微笑むロックオン。


……ていうかこんなに早く笑顔が見られるなんて思わなかった。


いつの間にやら、さっき願ったことが2つとも叶ってしまった。


当然というか…とにかく、彼の笑顔に何だか熔けそうになる僕。


本当に融解したらどうしよう。


…うぁ、心臓が早鐘みたいだ。


ていうか笑顔のロックオン、写メっても良いですか。


とか考えている内に、ロックオンが言葉を続ける。



「じゃあ、部屋に入ってもいいか?ティエリア」


「え。」


流れ的に順当であるはずのその台詞に、思わず驚く。


「え…、駄目なのか?」


「…あ、えっと、そういう訳では無くて……」


「??…まあいいや。」


僕の部屋に足を踏み入れるロックオン。


1歩、2歩と進んでゆく。


扉が閉まる。


ロックオンが立ち止まる。


僕との距離は1メートルもない。


…完璧に2人きり状態。


「………………」


キャパシティーが限界を迎えそうだった。


ていうか既に迎えているかもしれない。


「…どうしたティエリア?顔が真っ赤だぞ」


「……!!」


恥ずかしすぎて吐血しそうだった。


焦るな僕。


恥ずかしがったらますます赤くなるだろうがっ。


…負のスパイラルだ。


「………。……………。………」


色々と葛藤中。


ロックオンが黙ったままの僕を、訝しむように伺う。


…当たり前か。


「本当にどうしたんだよ?さっきからずっと黙ったままじゃねぇか」


ロックオンがさらに僕に近づく。


互いの物理的距離が50cmに縮まる。


………近っっ。


「…あ。もしかして警戒してんの?」


ロックオンが思い付いたように言った。


「…ぇ?」


警戒なんて別にしていないけれど…。




「………また俺に突然キスされるんじゃないか…って、警戒してる?」




「っ!?」


ロックオンの言葉に、僕の心臓は絶対に1秒は止まった。


「…だからそんなに驚かなくてもよくないか?」


呆れたように言うロックオン。


いやいやいや、驚かない方がむしろ異常だろう。


「………ろ、ろろろろっくおん、ななな何を突然そんなことをっっ」


「え。…だってよ、お前が黙り込んだまま俺とマトモに会話しようとしてくれないから、そうなのかなー…と。思って。」


ロックオンがちょっと恥ずかしそうに言う。


…恥ずかしがるロックオンも素敵だ……


…じゃなくて!!!


「そーいうことを何で今思い出させるんですかっっ!!」


「まあ、確かに朝からこういう話題はキツいよな。やっぱり夜だよなー、普通は」


「そんな意味で言ってませんから!」


夜に言われたら僕は死ぬかもしれない。


…や、今も十分に死にそうだけれど。


「真っ赤になって焦っちゃって…。そんな可愛い顔してると、余計にキスしたくなるんだけど?」


ロックオンが苦笑い気味に言う。


……………ぐあっ。


どうしてそんな綺麗な表情で、そういうことを言うんだ貴方はっ。


今、何かを確実に狙い撃たれた気がする……っ。


「つか…、むしろキスした方がすっきり目が覚めそうだし良いんじゃね?」


「すっきり目覚めたいなら唐辛子でも食べればいいじゃないですか…!!」


「ひどっ。俺は辛いのより甘い方が良いな。具体的に言うとティエリ、」


「先に言っておきますが僕の口内には甘味成分は有りませんからっ!!」


「…いや、口だけじゃなくてティエリア自体が、」


「それ以上言ったらGNバズーカでデュナメス破砕しますから!!」


「…えー。俺はただティエリアとイチャつき、」


「ハロを破砕しますよ!?」


「それだけはやめてくれっっ!!!(焦)」


…………………。


デュナメス<ハロ…って。


どんなマイスターだ。





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