BL
□保健室の先生。
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ソレスタ学園(名前超適当)に新しくやってきた保健室の先生は、めちゃくちゃ親切で丁寧な良い先生らしい。
ライル「…知ってる。」
刹那「兄弟だしな」
ライル「胸がムカつく位におせっかいだからなぁ、あのアホ兄貴は…」
刹那「行かないのか?保健室」
ライル「めんどくせーけど行くしかねーだろ。発注品を保健室まで運べって担任に頼まれたんだからよ」
刹那「お前のクラスの担任は確か、スメラギ・李・ノリエガだったな」
ライル「…何でフルネーム?」
ていうか何で兄さんは教師なのに俺は生徒?双子なのにおかしくねぇ?というのは作者の為に黙っておく空気の読めるライルだった。
ガラッ
(注:扉を開ける音)
「……。発注品届けに来ましたー」
扉を開けると、白衣の教員が座っていた。何故か右手に包帯を巻きつけようとしている。
まるで人をぶん殴ったかのような傷がちらっと見えた。
「おーーっ、やっと来たかーっ。
さっきはその消毒液が無かったせいでとんでもない目にあったぜ……、ってライル!?」
入口に立っている弟の姿に気づき、ニールは驚きの声をあげた。
「ライルだけど何か」
「…な、何でそんな冷たい対応なワケ?」
「別に?俺はこれがデフォルトだけど」
「むしろ落ち込んだよ…」
「ああそうかよ、勝手に落ち込んどけ。
ほら発注品。机の上に置いとく。じゃ、さよなら」
「まっ、待てって!!つれねーな、つれなさすぎだろ!!もうちょっとゆっくりしてけよ!」
慌ててライルの腕を掴み、その場にとどめようとするニール。
しかしその拍子に、ライルはバランスを崩してしまった。
「!!?」
「うぉっ!?」
つられてニールもバランスを崩し、2人そろって床に倒れこむ。
結果、ニールがライルを押し倒したかのような構図が出来上がってしまった。
「……、あれー?何でこんなことに…」
「何押し倒してきてんだよ、兄さん!
俺の知らない間に変態教師と化したか!?」
「その単語を言うなぁあ!!(汗)
せっかくさっき撃退したのに、ハム仮面がやって来るだろーがぁ!!」
「はあ???何をワケのわかんねぇことを…」
「いいからいいから!とりあえず変態とか言うな!!」
「………。」
「…。よし。………。」
「……………」
結果、沈黙が訪れた。
めちゃくちゃ気まずかった。
気まずすぎてニールは自分がライルに覆いかぶさっていることを忘れるほどだった。(←
「…………、なあ兄さん」
突如、長いこと黙っていたライルが口を開いた。
「っ?な、何だよ?」
「……なんかさー、俺…。久しぶりに兄さんの顔、近くで見た気がする」
「……、そうか?」
「あぁ。……ずっと、目をそらしていた気がする」
そう言うと、ライルはそっと目を伏せた。
「………ライル」
ニールにはよく分からないが、何だか後ろめたそうな様子だった。
「……そっか。
でもさ、俺はお前の兄さんだから」
「?」
ニールの言葉に、ライルは顔を上げる。戸惑っているような眼だった。
「それってどういう…」
「だからさ、お前が俺をどう思おうが、俺はずーーっとお前だけの兄さんだから」
「……………、」
「…何があってもそれは変わらない。……俺は、ずっとお前を想ってる」
そう言ったニールの眼差しは、とても真摯なものだった。
真っ直ぐにライルの瞳を見つめている。
「………兄さん…」
「ライル…」
「………兄さん、俺次の授業があんだけど。つか重いし。そこどいてくんない?」
ライルの眼差しは割と冷ややかなものだった。
「……へ?????」
「だから、どけって。重いって」
「……………。は、はい…」
すごすごとライルの上からどくニール。
兄貴の眼が微妙に涙目になっていたのは内緒である。
「じゃ、俺教室行くわ。さいなら」
ガララッ!!と勢いよく扉を開け、ライルは去って行った。
「……………ライルー…。兄さんは寂しいぞー……」
静寂に包まれた保健室に、切ない独り言が響いた。
ちなみに保健室から出た後のライルの顔が、照れたように赤くなっていたのは内緒である。
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