ギャグ


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in・昼の食堂




「……………」


「……………」


「……………」


「……………」


食堂では4人のマイスターが立ち尽くしていた。

刹那、ティエリア、ニール、ライルの4人である。

全員、昼時の食堂に来ているというのに、食事を摂ろうという気配が全くない。

ただ無言で棒立ちになっている。



「「…っていうか摂りたくても摂れねーよ。何だこれ。」」



同時にツッコミを入れる双子。

4人の目の前には、とある光景が広がっていた。

全自動で食事を用意し提供してくれる自動調理機の一部分から、ぶすぶすと細い黒煙が上がっているのである。

黒煙は食事の取り出し口から漏れ出ているが、機械は食堂の壁の向こうにある為、具体的にどこから煙が上がっているのかは分からない。

警報が鳴らない所を見ると、火の手が上がっているという訳ではなさそうだ。


「壊れているのか?」


刹那が煙を見つめながら絶望感の滲んだ声で言った。

その発言にニールが返事をする。


「まぁ、多分そうなんだろうな…。こんなこと初めてだぜ」


「久しぶりにホットドックを食べようと思っていたのに…」


「俺もポテトグラタン食いたかったな〜〜…」


「ニールはまだ良い。俺とライルとティエリアはミッションが長引いたせいで、朝食すら摂っていない…。ただでさえミッション後は腹が空くのに……」


「そりゃあキツいな…。大丈夫か?」


「飢え死にしそうだ。……俺が餓死したらガンダムと一緒に埋めてくれ」


「一体何メートル掘りゃいいんだよ(焦)」


「あ、やっぱりガンダムと墓に入るのはナシだ。ガンダムがあまりにも哀れ……」


刹那とニールの終わりそうにない不毛な会話に、ライルが割って入る。


「まだ壊れたと決まったワケじゃねーだろ。刹那、試しにホットドック頼んでみろよ」


「……了解した」


話を中断し、刹那は壁際へと歩み寄る。

そして壁に設置されているタッチパネルを操作し、機械にホットドックを作るよう指令を出した。

ほどなくして、機械のある方向からブーンと低い稼動音が聞こえてくる。

が、いつもならブーンで終わるはずの稼動音は、途中からザリザリジョリジョリジョリという奇妙な音に変わっていった。

しばらくして取り出し口に置かれたトレイの上に、ぼとりと音を立ててホットドックが用意された。


「……………」


「……………」


「……………」


「……………」


ホットドックは半透明の緑色だった。

しかもゲル化している。

全体的にドロドロで、かろうじてホットドックの形を保っている感じだった。


「食べるか?ライル」


ホットドック(仮)の乗ったトレイをライルに差し出しながら言う刹那。


「何で俺に振る!!!」


「お前が俺に注文しろと言ったんだ。お前が食べるのが筋というものだろう」


「いやいやいや無理無理無理、絶対食えねーよ、だって緑だし」


「お前のパーソナルカラーと同じだ。」


「関係ねぇし!!ていうかだったら兄さんもパーソナルカラー緑だろ、兄さん食えよ」


「は!?俺!?無理無理無理、緑だしゲル化してるし」


ぱくっ
(※ティエリアがホットドック(仮)を食べる音)



「「あーーー!!」」


同時に叫ぶ双子。

刹那もいつもの無表情に驚きの色を滲ませた。

ニールが慌ててティエリアの元へ駆け寄る。


「ちょ、ティエリア、何食ってんだ!!早く吐き出せっ」


「………味がない」


ティエリアはぽつりと呟いた。


「へ?」


「味がありません。ぶよぶよしていて美味しくないです。」


うぇー、と先程食べたものに対して嫌悪感丸出しな表情になるティエリア。


「こんな変なモン食べるからだろ!!つーか何で食ったよお前!」


「科学的見地から見て非常に興味深かったので……」


「興味深くても駄目なもんは駄目!!」


ニールが世話焼きスキルを発動している間に、ライルはホットドックをダストシュートに放り込みながら言う。


「なんにせよ、これでマシンが壊れちまってるってことが分かったな……」


「今日はホットドックを諦めるしかないのか…。」


「つか、マシンはハロ達に修理してもらうとしても、いつ直るか分かんねーだろ。下手すりゃ何日間もマトモな食事摂れないかもしれないぜ」


「………。絶望した」


と、刹那が言ったのとほぼ同時に、

食堂の扉が開き、誰かが入ってきた。


「……あれ?皆、何やってるの?」





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