ギャグ

□みんなで夏祭り!!
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経済特区・東京。

…の、郊外に位置するとある街で、大規模な夏祭りが開催されていた。

――そのお祭り会場前で、2人の人影が話し込んでいた。





「……えっと。刹那。……その、確かに僕は、君を夏祭りに誘ったよ?
まあ一応友達だし?っていうか、君もたまにはこういうイベントに参加してみたらいいんじゃないかなーとか思って……」


「ああ。俺も最初は来る気などなかったんだが、スメラギ・李・ノリエガが一般庶民の生活を知る良い機会だから行ってこいと……」


「うん、でもさ、なんていうか……、
何の連絡もなしにいきなりこんな大人数で来られたら、さすがに戸惑うっていうか…」


そう言って紺の浴衣に身を包んだ日本人・沙慈は、深緑色の浴衣姿のエセ日本人・刹那の後方へと視線を向ける。

沙慈が視線を向けた先には、10人ほどの団体が世間話に花を咲かせていた。

ちなみにほぼ全員浴衣姿で、夏祭りを楽しむ気満々である。

沙慈達2人からはかなり離れた位置にいて、沙慈の焦りようには全く気付いていないみたいだった。


「…お前の気持ちは十分察しているつもりでいる」


刹那は沙慈をまっすぐ見てそう言った。


「えー…本当に?」


「何故疑う」


「1期の君を知ってる人は誰でもそう疑いたくなるよ……」


「そうなのか?」


「………。ていうか皆、日本の夏祭りに馴染みなんてないだろ?
さすがに僕1人で全員を案内することとか出来ないよ?ルイスとも見て廻りたいし…」


「安心しろ。お前達に迷惑をかけるつもりはない。
それに夏祭りに関する予備知識は既にこれで仕入れてある」


そう言って刹那は小さな冊子を浴衣の袂から取り出し、沙慈に見せた。

その冊子にはこんなタイトルが書かれていた。


『これで君もサマフェス完全マスターだっ☆
40秒で分かっちゃう♪日本のサマーフェスティバル!!〜初心者編〜』


「この教本でしっかり勉強してきた。どうだ、安心したか?」


「引き続き不安だよ。」


「ん?何故だ?」


「何だよその怪しげな教本!!40秒で何が分かるんだよ!?っていうかその本たった40秒で読み終われちゃうんだ!?」


「そこがこの『デスノートで1人殺す間に学べるシリーズ』のウリだからな」


「ああ、だから40秒……。…いや、ていうか、キャッチコピー不吉すぎるでしょ!!」


「この本が信用できないというのならそれでもいい。
…だがこちらには、夏祭り検定準1級保持者であるティエリアがいる。だからそろそろ安心しろ」


「そんな検定聞いたことないんだけど!!あーもうますます不安だよっ」


「ところで沙慈、出店にガンダムのお面はあるのか?」


無表情ながら瞳をキラキラさせて言う刹那。


「………人の気も知らないで……。」


はあぁ〜〜…と沙慈は思い切りため息をついた。






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