ギャグ
□日常会話。
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in刹那の部屋。
「……なぁティエリア。」
新発売のガンプラ『METAL BUILD・ダブルオーセブンソード』を組み立てながら、側にいるティエリアに話し掛ける刹那。
「どうした?刹那」
ロックオンのマイスターポートレイトからライルのページだけを切り取って捨てる作業をしながら、返事をするティエリア。
「なぜ俺の部屋にいる?」
「細かいことは気にするな」
即答し、ティエリアは再び作業に戻った。
刹那はそんなティエリアをしばらく無言で見つめた後、「まぁいいか」とガンプラ作りに集中し直した。
「……刹那、ちょっと質問があるんだが」
「ん?」
今度はティエリアが質問してきた。
「質問…って、俺にか?」
「他に誰がいるんだ」
「遊○王の『もう1人のボク』的な誰かとかだ」
「あいにく僕は中2病じゃないんだ。とにかく質問をさせてくれ」
「…分かった」
訝しく思いながら、刹那は了承した。
ティエリアが刹那に質問だなんて、滅多には無いことだ。
「刹那……、ネット上では様々な用語が飛び交っているな」
思いもよらない角度から話を切り出すティエリア。
刹那の頭上に疑問符が浮かぶ。
「………その中に『俺の嫁』という単語があるが、それは一体どういう意味なのか、知っているか?」
思いもよらない角度から質問内容を語るティエリア。
刹那の頭上に疑問符+感嘆符が浮かぶ。
しかし顔には出さないクールな刹那だった。
「…『俺の嫁』、か。そのままの意味なんじゃないか」
ニッパーを駆使して器用にバリ取りをこなしながら、刹那は言った。
「……そのまま、か。しかし明らかに嫁にすることが出来ないものまで、対象になっている場合があると僕は思うんだ」
ライルのページをハサミで勢いよく両断しながら、ティエリアは言った。
「ああ、『Oガンダムは俺の嫁』とか言う奴も確かに居るな」
「いや、そんなことを言う奴は君の他に100%いない」
「それから『ライザーソードは俺の嫁』とか言う奴も居るな」
「いや、それも君以外絶対に言わない」
「………じゃあ…、『ティエリアは俺の、」
「それ以上言ったら君を破砕するぞ」
冗談の要素などカケラもない表情で言うティエリア。
「…しかし、自分の好きな男性に対しても『俺の嫁』発言する人間がいるのは事実だろう」
「そう。そうなんだ。そこが疑問なんだ」
「…まぁ良いんじゃないか、別に。個人の自由だろう」
「………確かにそうだな…」
「そうだろう。」
そこで会話が途切れ、再びそれぞれの作業に没頭する2人。
しばらくして、またもやティエリアが口を開いた。
「………。……ところで…」
「ん?」
「………………トレミーの皆にとっての『嫁』は何なんだろうな」
俯きながら言うティエリアの表情は伺えない。
しかし、髪の隙間から覗く耳は真っ赤だった。
「………………。」
それが本題だったのか、と得心がいく刹那。
「なんだ。ニールの『嫁』を推測してほしいとかそういう話か」
「違う違う違う違う違う。」
「……明らかに挙動不審で言われても説得力が無いぞ」
「No Way!!!」
「とりあえず落ち着け」
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