ギャグ

□ツンデレって何?
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「ツンデレって何だ?」


ティエリア以外のマイスター全員が揃った食堂で、刹那が唐突に言った。


あまりに唐突すぎて沈黙するアレルヤをよそに、ライルが戸惑いつつも刹那に問う。


「どうしたよ刹那、突然そんなこと言い出して。何かあったのか?」


「いや…皆がやたらと『ツンデレ』という言葉を使うから疑問に思ってな」


「そんなに使ってねぇと思うんだが…」


「そうだな…、主に初代ロックオンが使っていた気がする」


「なら初代に聞けよ…。いっつも思うが、何でお前は際どい質問を俺にばかりしてくるんだ」


沈黙から復活したアレルヤが答えた。


「ライルがいじられキャラだからじゃないかな」


「いじられキャラに言われたくねーんだけど」


即座にアレルヤに反撃するライル。


なんだかんだでこの2人は仲が良いのだろうか、と刹那は思った。


「…で、もう一度聞くがツンデレって何だ?」


「…………。えー…っと」


「……………うー…ん」


ライルとアレルヤが同時に神妙な顔で考え込む。


やがてアレルヤが口を開いた。


「ティエリアみたいな性格のことじゃないかな?ほら、1期がツンで2期がデレ、みたいな」


アレルヤの言葉に、ライルが不思議そうな顔で言った。


「あ、そーなんだ。俺から見りゃ、2期も十分ツンなんだが」


「ドンマイ」


「アレルヤ、…お前うざいよ?」


「……え」


アレルヤが落ち込みモードに入った所で、刹那がハッとして言った。


「ロックオン、せっかくだから今のツンからデレに移行してみてくれ!」


「はぁ!?何でそんなことしなきゃなんねーんだよ。」


嫌がるライルに対し、刹那がぼそっとつぶやく。


「………あんたがスメラギ・李・ノリエガの酒を勝手に拝借していることをバラすぞ。」


「よっしゃ、そんじゃデレさせてもらおうかーっ!!」


無理矢理テンションを上げたライルの顔は、若干引きつっていた。


とにもかくにも、落ち込みモードのアレルヤにロックオンは向き直る。


そして、こほん、と軽く咳ばらいをして、



「…アレルヤ、お前を落ち込ませた俺が言うのも何だけど、その……、

お前にそんな暗い顔して欲しくねーんだ。


笑顔のアレルヤが………1番好きだからさ」




その言葉に、アレルヤは驚いて顔を上げる。


そして、一言こう言った。


「そのツンデレ台詞、微妙だよ」


「………おぉい刹那ぁ、コイツを殺る許可を俺にくれないかぁ!?」


さすがに殺気立つライルだった。


「……でも確かにアレルヤの言う通り、微妙だったぞ。」


「うるせーよ!つか俺は元々そーゆーキャラじゃねーし!
こういうのはやっぱティエリアが向いてんじゃねーのっ?」


「ティエリア…か。その前にアレルヤのツンデレも見ておきたいな」


冷静な思案顔で、アレルヤに無茶振りする刹那だった。


「えぇえ!?僕!?…ぼ、僕よりハレルヤの方がよっぽどツンデ、」


「とにかくツンデレてみてくれ、アレルヤ」


「でも……、」


「………マリー・パーファシーの端末の着信履歴を勝手にチェックしていたことをバラすぞ」


「何でそんなこと知ってるの!?」


「イノベイターの力だ(キリッ)」


刹那のその言葉に、ライルが暗い顔でつぶやく。


「くそ…。俺達、絶対的に不利だろコレ。恐怖政治が始まる予感がすげぇするんだけど」


そんなライルを軽やかに無視して、刹那はアレルヤを促す。


「さあアレルヤ、ツンデレてくれ」


「えー……。だ、誰に。」


「そうだな……、じゃあハレルヤに」


「えー……。」


かなり嫌がりながらもアレルヤは、こほん、と咳ばらいをして、



「ハレルヤ…。君はいつも僕を助けてくれるけど…、

別に僕は、ちっとも嬉しくなんかないんだ。

…だから、助けてくれなくていいよ。

ただ僕を、…もう二度と、独りぼっちになんてしないでよね…っ?」




「……おぉー。まあまあ良いんじゃないか」


ちょっと感心する刹那。


「アレルヤにしては…、まあまあ良いな」


ちょっと感心するライル。


「どうして2人とも、反応がイマイチぱっとしないのかな…」


「いや、何というか、アレルヤが普通にツンデレるとさすがに違和感があってな…。」


そう言った刹那の視線は何故かアレルヤからそれていた。


「僕は別に常に駄目キャラでいるつもりは無いからね!?」


さすがに声を荒げるアレルヤ。


「………駄目キャラ…駄目電池」


「ロックオン!?今、駄目電池って言った!?なら君はダメガネだよ!」


「ダメガネ言うな!良いだろ眼鏡カッコイイだろ!!
眼鏡とグラサンを馬鹿にする奴は許さねぇよ!?」


「……そういえば『グラサンかけてる奴は大体が殺し屋だ』っていう名言があるらしいね」


記憶を探りながらアレルヤがつぶやいた。


「う…、まあ…俺は殺し屋みたいなもんかもしれねーけどさ…」


「ライルはともかく先代は元スナイパーだったから、ちょっと殺し屋っぽいな」


ニールの過去を思い出しながら刹那が言った。


「いやいや、兄さんにグラサンは似合わないから」


「ロックオン…、それは自分にもグラサンが似合わないことを暴露しているのと同じだと思うぞ」


「甘いな。俺と兄さんじゃグラサン・ポテンシャルが違うんだよ」


「何だグラサン・ポテンシャルって。初めて聞いたぞ、そんな単語」




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