学パロ

□6.とある生徒の日常事情
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ある日の昼休み。




「……最近、君達はやたら仲が良いな。私の知る限り、常に一緒に居るイメージがある。
さては君達……付き合っているのか!?」


「「違う」」


「なッ、武士のカンが外れた…だと…!?」


「うるさい。邪魔だ。今すぐ消えろ。」




俺はグラハム・エーカー…もといハム先生にそう言い放つ。

直後、ちょうどいいタイミングでカタギリ先生がやってきて、嫌がるハム先生を引っ張っていった。



「探したよ、グラハム。
まったく…勝手に消えてもらっちゃ困るよ、君には書いて貰わなきゃいけない始末書が大量にあるんだから」


「や、やめろっ。離せっ。私は少年との逢瀬を…!!」


「ストーカーは立派な犯罪だよ?グラハム」


「そんな道理ッ、私の無理でこじ開ける!!」


「…。法律にまで戦いを挑む気かい?」



そんなことを言い合いながら、ハム先生とカタギリ先生は去って行った。

後には、静寂だけが残された。



「……これでようやく昼食に専念できる」


「しかし良いのか、刹那?彼は仮にも教師だぞ。あのようにぞんざいに扱っては後が面倒では……」


「何?ハム先生が教師だったとは…、初耳だな。」


「嘘をつくな」



隣に座っているティエリア・アーデのツッコミを無視し、俺は先程売店で買ったホットドックにかぶりつく。

今日はミルクが売り切れだったので、よく噛んで嚥下しないと口の中がパサパサになりそうだった。





ここは校舎の屋上。

授業中に双子達がたむろしている所とは別の、生徒に公開されている方の屋上だ。

ベンチがいくつか置いてあり、自動販売機も1つだけだが設置されている。

その代わり屋上を囲むフェンスは、通常より頑強で背の高いものとなっている。

屋上が公開されている学校など珍しいので、昼休みにはかなりの人で賑わう………

………のは、春や秋限定だったりする。



「さすがに暑いな……」



ティエリアが眩しそうに空を見上げて呟いた。

俺もつられて上を見る。

もう9月になるとはいえ、まだまだ残暑は厳しかった。

こんな日に屋上で昼休みを過ごそうとする人間など、俺達ぐらいのものだろう。

事実、周りには誰もいなかった。

……まあ、先程のハム先生のように、たまたま屋上に来る人間も居るようだが。

うん、そうだ。

ここでハム先生と会ったのはあくまで単なる偶然なんだ。

偶然、偶然……



「…ストーカーなど早くこの世から撲滅されればいい……」


「こんな突き抜けるような青空を見上げて呟く台詞がそれなのか、刹那」








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