BL

□大切な貴方へ
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明日はバレンタインデー。





「………どうすればいいんだ」


調理室で一人呆然と立ち尽くしながら、つぶやくティエリア。


周囲には様々な調理器具と焼け焦げたチョコの残骸が転がっていて、ちょっとしたハリケーンが起こったような有様だった。


ティエリア自身もぼろぼろで、エプロンや頬にはチョコの汚れが大量についていたし、手にはいくつか切り傷もあった。


「………僕って……こんなに料理が苦手だったのか。」


今更すぎるその言葉にツッコミを入れる者はいなかった。


その代わりティエリアの目の前にある現実が、何より厳しいツッコミを入れていたのだった。





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