BL

□融解しそう。
1ページ/5ページ

/




……どうしようか、この状況。


場所は僕の部屋。


の、ベッドの上。


で、何故か、


ニールに後ろから抱っこされて、座っている。


………………………。


「なんか久しぶりだな〜、ティエリアといちゃつくの」


やたら楽しそうに言うニール。


「………………。」


……僕は肩身が狭いです。


っていうか心臓が狭心症になりそうだ。


「あ、あの、ニール、ふ、普通に向かい合って会話しませんか、普通に」


耐え切れず、提案してみる。


……大体、さっきからニールが喋る度に吐息がうなじにかかって、いたたまれない。


「嫌だ。」


「……………。」


あっさり拒否された。


「な、何故ですか」


「ティエリアの抱き心地がめちゃくちゃ良いから手放したくない」


「……………はい!?」


意味が分からない(焦)


「……つーか。最近、ティエリアと2人きりになれてなかったから。…その分の埋め合わせしてるだけだって」


耳元で囁かれた。


…どこからそんな綺麗な声が出るのか教えてほしい。


とか考えながら、本格的に顔が火照り始めた僕に、今度はため息が聞こえてきた。


「……どうしました?」


「…………。お前さぁ、最近は俺以外の人間とも話すようになったよな」


心なしか、彼の声が冷気を帯びているような気がした。


「だから俺とティエリアだけの時間が減ったんだよな、きっと」


「…………。」


…この場合、どう返事をするべきなんだろうか??


素直に謝る?それとも反論する?


………謝るのは、何か違う気がする。


「…あ、貴方だって僕以外の人と話してるじゃないですか。
それ所か、やたら親切にしてるし……」


「それは他の奴らがティエリアと接する機会を潰す為だよ」


即答された。


「え。」


「だってお前が俺以外の奴と話してるの見るとムカつくからさぁ…」


何だか物騒な台詞を、さらっと言われてしまった。


少しだけ振り向いてみると、何故かニールはにこにこ笑顔だった。


「あーもう、ちょっと怯えてるティエリアも可愛いなっ」


ぎゅーと思い切り抱きしめられた。


「えぇぇ!?」


おまけに「…ぱくっ」と耳を甘噛みされた。


「っっ!!?」


しかもニールの手が、何故か僕の腰の辺りに伸びてきた。


そのまま下腹部のあたりを、ゆっくり撫でられる。


あの、全く対応出来ないんですけど!!


「ティエリア…、これからはもう、俺以外の人間と勝手に会話したら駄目だからな?」


ニールが相変わらず綺麗な声で言う。


言った直後に、舌で僕の耳をなぞる。


熱い感覚が耳に伝わり、背中がぞくぞくした。


「………っ……、そんなこと、言われても…」


「どうしても会話したい時は、俺の許可を取ってからにしろよな」


「……………。」


それは、すごく困る……。


挨拶するのにも許可が必要なのだろうか。


アレルヤに「万死に値する」とか言うのも許可が必要なのだろうか。


………不便だ。


「…と、いうか、なぜ僕が貴方に、そんな制限をされなければならないんですか?」


不満を言ってみた。


その間もニールにあちこち触れられていたので、微妙に声が震えてしまったけれど。


………腿の内側とか本当に止めてほしい。


「そんなの決まってるだろ、ティエリアが俺だけのものだからだよ。」


当然のことのように言うニール。


「……………。」


とっさに言葉が出ない僕。


自分の顔の火照りが増したような気がした。







.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ