BL
□融解しそう。
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……どうしようか、この状況。
場所は僕の部屋。
の、ベッドの上。
で、何故か、
ニールに後ろから抱っこされて、座っている。
………………………。
「なんか久しぶりだな〜、ティエリアといちゃつくの」
やたら楽しそうに言うニール。
「………………。」
……僕は肩身が狭いです。
っていうか心臓が狭心症になりそうだ。
「あ、あの、ニール、ふ、普通に向かい合って会話しませんか、普通に」
耐え切れず、提案してみる。
……大体、さっきからニールが喋る度に吐息がうなじにかかって、いたたまれない。
「嫌だ。」
「……………。」
あっさり拒否された。
「な、何故ですか」
「ティエリアの抱き心地がめちゃくちゃ良いから手放したくない」
「……………はい!?」
意味が分からない(焦)
「……つーか。最近、ティエリアと2人きりになれてなかったから。…その分の埋め合わせしてるだけだって」
耳元で囁かれた。
…どこからそんな綺麗な声が出るのか教えてほしい。
とか考えながら、本格的に顔が火照り始めた僕に、今度はため息が聞こえてきた。
「……どうしました?」
「…………。お前さぁ、最近は俺以外の人間とも話すようになったよな」
心なしか、彼の声が冷気を帯びているような気がした。
「だから俺とティエリアだけの時間が減ったんだよな、きっと」
「…………。」
…この場合、どう返事をするべきなんだろうか??
素直に謝る?それとも反論する?
………謝るのは、何か違う気がする。
「…あ、貴方だって僕以外の人と話してるじゃないですか。
それ所か、やたら親切にしてるし……」
「それは他の奴らがティエリアと接する機会を潰す為だよ」
即答された。
「え。」
「だってお前が俺以外の奴と話してるの見るとムカつくからさぁ…」
何だか物騒な台詞を、さらっと言われてしまった。
少しだけ振り向いてみると、何故かニールはにこにこ笑顔だった。
「あーもう、ちょっと怯えてるティエリアも可愛いなっ」
ぎゅーと思い切り抱きしめられた。
「えぇぇ!?」
おまけに「…ぱくっ」と耳を甘噛みされた。
「っっ!!?」
しかもニールの手が、何故か僕の腰の辺りに伸びてきた。
そのまま下腹部のあたりを、ゆっくり撫でられる。
あの、全く対応出来ないんですけど!!
「ティエリア…、これからはもう、俺以外の人間と勝手に会話したら駄目だからな?」
ニールが相変わらず綺麗な声で言う。
言った直後に、舌で僕の耳をなぞる。
熱い感覚が耳に伝わり、背中がぞくぞくした。
「………っ……、そんなこと、言われても…」
「どうしても会話したい時は、俺の許可を取ってからにしろよな」
「……………。」
それは、すごく困る……。
挨拶するのにも許可が必要なのだろうか。
アレルヤに「万死に値する」とか言うのも許可が必要なのだろうか。
………不便だ。
「…と、いうか、なぜ僕が貴方に、そんな制限をされなければならないんですか?」
不満を言ってみた。
その間もニールにあちこち触れられていたので、微妙に声が震えてしまったけれど。
………腿の内側とか本当に止めてほしい。
「そんなの決まってるだろ、ティエリアが俺だけのものだからだよ。」
当然のことのように言うニール。
「……………。」
とっさに言葉が出ない僕。
自分の顔の火照りが増したような気がした。
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