BL
□優しくしたい。
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最近、ティエリアの態度がおかしい気がする。
気のせいだろうか。
「…。で、何で俺の所に来たんだ兄さん」
in・弟の部屋。
テーブルの向かい側には呆れ顔のライル。
俺の膝の上にはハロ。
そして俺はテーブルの上で突っ伏してテンション下がりまくった状態でため息製造機に成り果てている。
「………らいるー。最近さぁ…、ティエリアが俺を避けてるみたいなんだけど…」
「ふーん。で?」
「…若干落ち込んでるんだけど」
「ふーん。あっそ。帰れ」
「……今ので更に落ち込んだんだけど」
「…ウザいなぁ…。要点を言えよ、要点を」
「要点…そうだなぁ。…どうしてティエリアは俺を避けてるんだと思う?」
「どうして…って。最近の兄さんの行動があいつの癇に障ったんじゃねーの。」
「???…俺なんかしたっけ?」
「………。鈍感すぎねぇ?」
「は??え?マジで分かんねぇんだけど」
「…じゃあさ、たとえば…そうだな、昨日の兄さんの行動を思い出して言ってみろよ」
「ん?昨日…は、
朝、食堂に行ったらフェルトに会って、プログラミングに必要なデータの収集作業が大変だって話を聞いて、手伝うことにして…」
「………。」
「で、その後は刹那に会って…、なんか刹那のマフラーがボロかったんで、仕方ないから新しいの買ってやろうと思って一緒に街に出て、」
「……………。」
「帰ってきたらアレルヤが彼女さんの為に部屋の模様替えしてて、なんか忙しそうだったから手伝って、」
「…………………。」
「夜になって食堂行ったらミス・スメラギが…多分人恋しかったんだろうけどとにかく寂しそうにしてたから、一緒に飲んで話し相手になってやって…、」
「…………………………。」
「部屋に帰る途中でまたフェルトに会って、朝のお礼ってことで手作りクッキーもらった。」
「………兄さん。」
「ん?何だよ。」
「どんだけフラグ立たせれば気が済むんだ、あんたは」
「……へ…???フラグ??」
「ていうか…、基本的に毎日そんな感じなんだよな?兄さんの日常って」
「…まぁ、そうだけど?」
「ティエリアの目の前でも平気でそういうことやってるんだよな?」
「そりゃ、まぁ、やってるけど?」
「…だよな…。俺この前食堂で、ティエリアが居るにもかかわらず兄さんが刹那を優しく気遣ってるとこ見たし」
「優しく…っつーか。当然じゃね?」
「刹那の口元についた牛乳の跡を拭いてやるのも、当然なのか?」
「うん、まぁ。」
「刹那が欲しがったからってエビフライ分けてやるのも、当然なのか?」
「うん、そうだけど。」
「刹那のノドに魚の骨が刺さったからって長時間かけて慎重に抜いてやるのも、当然なのか?」
「うん、まぁ、父性だよ父性。」
「……うわぁ。堂々とそういうこと言うか…。そんなんだからティエリアに避けられることになんだよ」
「え。マジで?」
「気付けっつーの…」
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