BL
□砂糖菓子のキス。
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……………どうしてこんなことになったんだろう。
目の前には、稼動中の全自動洗濯機。
中身は、僕がさっきまで着ていた衣服一式。
当の僕はと言うと、着替えが無いので置いてあったバスローブを着ている。
…ちなみにここはトレミーの僕の部屋では無い。
というか、宇宙ですら無い。
地上のとあるホテルの一室だ。
その一室の、洗濯機が備え付けられた浴室に僕はいる。
…それにしてもこのホテル、無駄にサービスが行き届いている。
普通は洗濯機なんて無いと思う。……あまり来たことは無いので確信は持てないが。
………ていうか、洗濯機の中には僕の衣服が一式全部入っていて。
ちなみにここは僕の部屋ではなくて……。
現在自分がバスローブ姿、って、…。
いやいやいや。何か同じようなことばかり繰り返し言ってないか?僕。
………………。
……………どうしてこうなった……………。
と、その時。
背後で浴室のドアが、がちゃり、と開く音がした。
「ティエリアー、自分でちゃんと洗濯機動かせたかー?」
…思い切りからかい口調な声が言った。
「……………洗濯機くらい動かせます……」
「ふぅん?お前って料理とか洗濯とか、家事は全般出来ないんだと思ってたが、…意外だなぁ」
「余計なお世話です!!」
………浴室に入ってきて早々、僕をからかってきた彼は。
…僕が、最も尊敬していて、…心の支えにしている人で。
…コードネームは、ロックオン・ストラトス。
本名はニール。
……本名でなんて、とてもじゃないが呼べないけれど。
それにしても、どうして僕は今、ロックオンとこんな所にいるのだろう。
謎だ。
理由を理解はしていても、心がまるで追いつけていない。
………………ほんの1時間前までは、全てが正常だったのに……。
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