BL

□シークレット
6ページ/8ページ




「……甘えりゃいいじゃねぇか。何が駄目なんだ」



戸惑いながらも、疑問を口にする。

………しかし、ライルは何も言わない。

よりいっそう頬が赤くなるばかりだった。

熱さを確かめるように、俺は片手をライルの頬に添える。

見た目よりなお上がっている体温に、指先が一瞬だけ微かに震えた。



真っすぐに俺を見つめているライルは、泣くんじゃないかと思う程に切なげな表情だった。

双子のはずの俺には決して出来ない表情をするライルに、心臓の鼓動が速くなる。

ふと、ライルが瞼を閉じた。

そして恥ずかしそうに震える声で言う。



「…兄さんに甘えたりしたら、もっと疲れる。……腰とか、痛くなるし……」



「………え、」



思考が瞬時に固まった。

……え?

もっと疲れる?腰が痛くなる?

それってまさか、

…えーと。その。

………………つまり、




「俺に甘えたら、…してほしくなるから、……ってことか?」


「………」



無言のままそっぽを向き、ますます顔を赤くするライル。

……その様子は肯定と受け取っていいのだろうか。

ていうか、

俺とSEXしたいんですかライルくん。

それってどんだけ可愛いんだオイ。

俺に会えない間、一体どうやって我慢してたんだか……。

そこまで考えた途端、唐突にライルがいとおしくて堪らなくなった。



俺はライルを抱き起こし、

両手を腰に回して引き寄せる。

当然ライルは戸惑いを見せたものの、

意外にも、おとなしくされるがままになっていた。

そんなライルの耳元に、俺はそっと囁く。



「……なぁライル…、……今は?」


「…え……?」


「だから、……今は、してほしいって思ってる?」


「っ、」



ライルは俺の視線から逃げるように顔を背ける。

片手でその顔を再び俺の方に向けさせ、視線を合わせた。

顔が見えてなきゃ、意味がない。

………こんな可愛い表情、一瞬だって見逃したくない。



指で柔らかい唇を、そっとなぞる。

その触れ心地にキスしたい衝動に駆られる。

…この唇の内側で、赤く艶やかな舌に触れたい。

ライルの深いところまで…キスで侵してしまいたい。

さっきライルがしてくれたような可愛いキスもいいけれど、もうそれだけじゃ満足できそうにない。



「……お兄ちゃんは、我慢しなくてもいいよな?」



気付いたらそう呟いていた。

俺の言葉に、ライルの瞳が驚きに揺れる。

返事を待たずに俺は、指で唇を押し開いて自分の唇を重ねた。







次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ