ギャグ
□本棚はカオスの宝庫
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それから3時間後。
部屋はようやく片づきつつあった。
「……ここまで長かったな…。捨てる本も200冊くらいにはなったし」
ライルが一息つきながら言った。
「というか、一体全部で何冊あるんだ?この本は」
刹那がガンプラを組み立てながら言った。
「オイコラ、手伝いなさい刹那くん」
「……飽きた」
「秋田?」
すかさず反応するティエリア。
「………その反応にも飽きた…」
「とりあえず手伝えって。じゃないと片づけ終わんねーぞ?
…っていうか何で俺が貧乏クジみたいな真似しなきゃならねーんだ、兄さんじゃあるまいし」
「お前がドS発言したからじゃねーの…?」
テンションが最底辺な状態でニールがぼそっと言った。
「あ?そうだっけ?つーか何をそんなに落ち込んでるんだ、兄さんは」
「……だって……捨てられた本の80%が俺の本だし……」
「そうだっけー…。あ、これも捨てていいよな?『裏庭』って本」
「それも俺のだし!!っていうかそれは捨てるな捨てないで下さい本当にマジで!!!」
「……仕方ねーなー。じゃあこれは?『キャッチャー・イン・ザ・ライ』」
「…それも俺のだが、ある意味トラウマ本だから捨てていいわ。名作なんだけどな」
「…ふーーん?じゃあ俺が読んでみようかな。トラウマってのが気になる」
「いや、今読んでも意味ないって。中学生くらいの時に読んで、大人になってもう一回読むのが正しい読み方なんだよ」
「はぁ??何だそれ。ていうかただの兄さんの主張だろ、それ」
「……そうでもないけどな」
「ところでさぁ、ティエリアは無いと思うから兄さんに聞くけど、」
「ん??」
割と真剣な声になったライルに、疑問符を浮かべるニール。
「………エロ本とか無いのか?」
「真面目な顔して何言ってんだお前は。」
「で、有るのか無いのかどっちなんだよ」
「無ぇよ!!!
ていうかこの部屋の本棚はティエリアとの共同用なんだから置ける訳無いだろうが!!!」
と、そこでふいに刹那が口を挟んだ。
「共同用の本棚の割には、さっきのティエリアの邪悪な本に見覚えがなさそうだったな、ニール」
「ああ、見覚えなかったぜ。
ぶっちゃけこの部屋で見覚えのない本を、1日最低でも1冊は見つけるからな。そのくらいの蔵書量ってことだよ」
「馬鹿じゃないのか」
「刹那…、お前の言葉のナイフが俺の胃にどれだけのダメージ負わせてんのか、一度真剣に考えてくれねぇ…?」
「嫌だ。」
「………そっか……(泣)」
「………。あ…あのさぁ…、これ、…誰のだ…?」
ふと、ライルが恐る恐るといった感じで言葉を発した。
「ん?」
何事かと、ニールと刹那が振り返る。
ライルの手には、
真っ黒なノートがあった。
表紙には『DEATH NOTE』と書かれていた。
「………兄さんの?」
「違う!!断じて違うって!!…え、つか、こ、これは刹那のなんじゃねーの?」
「そんな訳ないだろう!!声ネタ繋がりで俺を殺人鬼呼ばわりしないでくれ!!」
慌てて否定する刹那。
「じゃ、じゃあティエリアの……?」
消去法で尋ねてみるニール。
「そうですが、何か」
ティエリアはこともなげに言った。
「「「……………!!!」」」
3人同時に凍りついた。
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