ギャグ

□本棚はカオスの宝庫
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「そんな訳あるかっ!!こんな名作捨てらんねぇよ!!(泣)
ぶっちゃけ俺的にはこの作者の最高傑作なんだぞ!?」


「知らねーよ……。つーかそんなに大事なら加工とかすんなよ」


「それについては大丈夫だ、保存用がちゃんと別にあるから、」


じゃあこっちは捨てろよ!!
刹那、パス!」


ひょい、と刹那に本を手渡すライル。


かなり重いので飛距離はそんなに出なかったが、刹那はなんとかそれを受け取る。


「…よし、燃やそう。」


ぼそっとつぶやく刹那。


「刹ちゃん!?何か今無表情で怖いこと言わなかったか!?」


半泣きのニール。


「次行くぞ、次〜〜。お、こんな所にシリーズ物っぽい本が。これを捨てたらだいぶ軽くなりそうだな…」


足元に同じようなデザインの本を20冊ほど見つけ、ライルが言った。


「あ、それは僕のだ」


「へぇ。ていうかお前、さっきも思ったけど専門書以外の本もけっこう読むんだな」


「ニールに無理やり勧められて、な…。
だがそのシリーズは専門書だぞ。購入したのも僕だ」


「ふーん。専門書でも20冊のシリーズとかあるんだな。どれどれ…、
…『世界の猟奇殺人者全書』………………………」


タイトルを読み上げて凍りつくライル。


聞いていた刹那とニールも固まった。


「??急にどうしたんだ、皆?
この全書シリーズはなかなか興味深いぞ。他にも『世界の死刑方法全書』だとか『世界の解剖、」


「ティエリアさん、頼むからその世間知らずゆえの純粋な興味は他の所に使ってくれ…!!」


切実な表情で言うライル。


ていうかこんなものが20冊のシリーズになっているという事実が、かなり恐怖だった。


「そうか…?ハレルヤなんかは割と楽しそうに読んでいたが…」


「ハレルヤは…まぁ、ハレルヤだからな…。」


諦め混じりにニールが言った。


「燃やそう…。そのシリーズだけは絶対に燃やした方がいい」


至極真面目に刹那が言った。


「え…、す、捨てた方が良いですか?ニール」


「捨てた方が良いと思うぞ…。つか、まさか既に完読済みとか、そんなことはないよな…?」


全巻読破しましたけど。


「………そっか。(泣)」


それよりも星新一の方を優先して欲しかった、と切実に思うニールだった。


ライルは先程見たことを忘れる為にも気を取り直す。


「と、とりあえず次に行くぞ…。
えーっと、このやたらペラい本は誰のだ?5冊くらい同じようなのがあるが」


「それも僕のだ。ミレイナにもらった」


ティエリアが言った。


「ミレイナに?…少女漫画とか?」


「そんなもの僕が読む訳ないだろう。ただ、漫画なのは確かみたいだな。まだ読んでいないが…。
ミレイナが言うには、『どうじんし』…とかいう書籍らしい」


よし、これも処分決定だな


即座にペラい本を刹那に向けて投げるライル。


「え!?何でだ?何で処分なんだ!?」


訳がわからず疑問符を浮かべまくるティエリア。


「ちょ、ライル、刹那に渡すなよ、見ちまったらどーすんだ!俺が代わりに処分しとく」


ニールが刹那の手からペラい本を取り上げながら言った。


「ニールまで!?どうしてですか、せっかくミレイナにもらったのに…、」


「いやいやいや、知らない方が良いことも世の中には沢山あるんだぞティエリア」


気まずそうに言うニール。


「あぁ、兄さんの頭の中とかな」


「ライル、お前にだけは言われたくなかったぞ兄さんは」


「つーか今思ったけど、百合本ならティエリアが読んでも問題無いかもな。」


「問題あるだろ!!つかミレイナが元所有者って時点で百合ではないだろ!」


「いやいや、それは偏見ってもんだぞ?兄さん。最近の女子の趣味は幅広いからな」


「マジで…。つーか何でそんなこと知ってんだお前。」


「「っていうか、さっきから何の話をしているんだ?」」


刹那とティエリアが同時に言った。


「「何でもありません。」」


双子もまた同時に言った。






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