テロリストの子育て

□第3話
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来島に風呂を任せ、万斉に服を任せ一人部屋で待っていると


コンコンーー



「晋助入るでござるよ」
「失礼しまっス」


来島と万斎の間には手を繋がれたガキ
風呂に入りボロボロの着物からTシャツに着替えただけだが、小綺麗な印象になった

ガキと目が合う
近くまで寄ってきて何かと思えば…
何も言わず両手を伸ばしてくる

俺はガキが好きじゃねぇ
ガキに好かれる見た目でもねぇのは自分が一番わかってる
ガキとまともに会話も出来ねぇだろうよ


だが、この伸ばされてる手をどうすればいいのかは不思議とわかった

小さい体の両脇に手をいれ抱き上げてやるとガキは嬉しそうに笑い声を上げた


風呂に入った後だからか子供体温って奴なのかは分からないが抱き上げたガキはじんわりと暖かい



「晋助その子供はどうしたでござるか?」
「拾った」
「なるほど拾ったと…で、どうする気か?」
「俺が育てる」
「…………今何と?」
「俺が育てる」
「犬や猫とは訳が違うでござる」
「あぁ?そんな事ァ分かってる」
「そうか………ならよいが」
「イイんスか先輩‼️もっとこう突っ込む所が!」



どいつもこいつも、うるせぇ
ガキくらい訳ねぇさ


「別に3食エサやって躾とか散歩とかすりゃいいんだろうが」


「「・・・・・。」」





無言で万斉にガキを抱き奪われた




ーーーーー


「思った通りでござる。晋助に子育ては任せられぬ」
「そうっスね。何かこう根本的に何か間違えてるっス…」




テロリストの子育てが今ここに始まる






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