テロリストの子育て

□第6話
1ページ/1ページ



『かえりゅのうたぎゃ〜♪きこえてくりゅよっ!』

俺の部屋でぴょんぴょん跳ねながら歌ってるコイツ
雨が降って何が嬉しいのか部屋の端から端へ飛び回る

「オイ………」

声をかければ、パタパタと走って来て俺の膝の上に座り

『しんしゅけしゃま!いい子いい子して!!』

頭を撫でろと俺の胸に頭を擦り付ける

「猫みてェだな」
『猫ぉ?……タマじゃないもん!美月だもん!』

美月…
俺がつけてやった名前だ
こんな雨の日はコイツに初めて会った日を思い出す
コイツに出会ったのは偶然で
連れて帰ったのも気まぐれだった
ただ…
俺の着物の裾を掴むボロボロの小さな手を振り払えなかった
泣きもせず俺をジッと見つめるその姿が昔の自分と重なって…………
時々ふと思う
コイツは俺といていいのか?
俺なんかが子供を育てる資格があるのか?
いつか俺がコイツの未来を壊す日が来るんじゃねェのか?
そんな事を嫌でも考えちまう
だから嫌ェなんだ雨なんて
『しんしゅけしゃまも いい子いい子!』

頭に伸ばされた小さな手

「美月は雨の日好きか?」
『大しゅきっ‼️』
「そうかよ…」
『だって、しんしゅけしゃまに会えた日を思い出すから!はじめて あいじょーもらった日だもん!』

"名前はパパから貰った初めての愛情なんだって"
と言われ不覚にも目頭が熱くなった

あの時の事は覚えてる訳ねぇと思ってた
コイツは雨が好きだと言う
俺に会えた日だから好きだと言う
初めて愛情を与えられた日
初めて俺が人に愛情を与えた日

「雨も悪くねェな……」
『おうたうたうー!!』

また部屋の中を飛び回ろうとする美月を引き留める

「オィ、さっきのもう一回言ってみろ」
『さっきのって?』
「……ぱ、…………………。ぱ。」
『ぱぱ?』
「…………////」
『しんしゅけ様は"たかすぎ・ぱぱ・しんしゅけ"ってお名前なんだよね?』

美月はそう言うと高杉の膝から降りた


なんだそれ
意味何もわかってねぇ
父親って意味だ‼️ってちゃんと教えとけ
半端な知識植え付けるたァ
どこのだれ………

アイツだな
向かったのは武市の部屋

「おや晋助様、如何なされましたか?」
「今すぐ美月にピーエーピーエーの意味教えて来いや」
「はて、ピーエーピーエーとは?」




ーーーーー

『パパってしんしゅけ様のおなまえ?あだな?じゃないの?』
「パパとはお父さんと同じ意味です」
『ふーん、パパって呼んだほうがいい?』
「いいえ、いけません」
『?』
「むやみやたらにパパと呼ぶのではなく、何か欲しい物やして欲しい事がある時、お願い事がある時だけ"パパ"と呼ぶ事にしましょう」
『なんで?』
「言葉は賢く使うのです。いいですね?」
『はーい』

ロリコン武市
そう言えば参謀でした









次の章へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ