テロリストの子育て
□第7話
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我等が晋助様は古風で風流な方
昔ながらの亭主関白タイプで
アナログ派
そんな晋助様が最近iPadばかり見ている
IQOSなんて最先端の物があるのに煙管を吸う流行の真逆を行く人なのに!
そこがカッコいいのにiPadだとぉお!
三味線を嗜む長い指でシュッシュッと画面をスライドさせてる!
何やってスかね?
気になる…あんなに真剣に何を見てるんだろう?
数日後Amasonの小包が地上の隠れ家に届いたらしく取りに行った
自分達はテロリスト
隠れ家がバレたらまずい
誰がAmasonで買い物なんてしたんだか…
そんな不届きもの晋助様にヤキを入れてもらうっス!
会議室にブツを持っていく
「晋助様ー!見てくださいよコレ!誰かネット注文なんかしてんスよ!」
「やっと届いたな…」
「ま、まさか…」
驚く私の隣でべりべりと段ボールをあける
中から出てきたのは幼児用の水着?
タイミングよく美月が来る
「しんしゅけしゃまー♪」
美月が走って飛び付けば、晋助様はぎゅっと抱き締め髪にキスをする
その光景が微笑ましい
「いいなぁと思ってるでござろう」
「8割くらいしか思ってないっスよ!」
万斉先輩にしらーっとした目でみられているのは、もはや気にしない
「で、晋助その水着は?」
「美月に水泳を習わせる」
「また、いきなりでござるな」
「心肺機能ってぇのはな、ガキの内に鍛えねぇとらしい」
「美月まだ3歳っスよ?早くないっスかね?」
美月がやりたいと言い出したのならともかく…
そんな小さい時から習い事って少し窮屈な気もする
と、思わず自分の意見を言ってしまった
晋助様が怖くて顔が見られない
「美月の事を考えて決めた事だ。文句は言わせねェ…」
「すみませんでしたっっ!!」
「まぁまぁ、当人に聞いてみればいい話であろう?美月、ぬしは水泳やってみたいか?」
『すいえい?たのしい?』
「お前の為に水着も用意した」
『しんしゅけしゃまが選んでくれたの?』
「………………あぁ」
『じゃあ美月それ着たい!すいえいやる〜』
こうして美月は水泳教室のまずは体験入学をしてみる事になった
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「先輩…晋助様またAmason見てるんスけど…」
「小さい内から体幹を鍛えた方が良いと言ってな、今度はトラポリンを探しているらしい」
「なんか意外に晋助様って……」
「「教育熱心……」」
揃って出た言葉に顔を見合せ苦笑いした
つづく