「姉さん・・・・・今どこかなぁ〜」

窓の外を眺めて遥か遠くを見つめている自分に少し呆れた。

「やっぱりついて行けば良かったかも・・・・・」

横長いソファーに腰を下ろし、天井を見上げた。

「・・・・・・・・・・」

世界が再生されて一年。
イセリアに戻って来てからロイドとコレットはエクススフィアを探す旅に行った・・・二人とも本当に幸せそうだったな・・・



そして僕も



『ジーニアス、私も旅に出ようと思うのだけれどあなたはどうする?』
『え!?』
『ここは私達を受け入れてくれた、でも本当の私達の居場所はここではないわ・・・・・・・』

悲しい目をして、下を向く姉さん・・・

『とても辛いでしょうけど、また旅に出ないかしら?』
『・・・・・姉さん』

すごく優しく問いかけてくれた



でも



僕はその姉さんの優しさを踏みにじる様な事をしてしまった・・・





「・・・・・・・・・・」

「でも、僕だってすごく悩んで・・・・あのウサギの様な存在を一人にしたくなくて、あの綺麗な目に、口に、心に気持ちが注がれるのを・・・・・この目で見たくて」

だんだんと涙が溜まってくる・・・・・

「・・・・・力強くて、自分の事は曲げない、優しくて、気遣いが上手で、だけど・・・・少し天然で」

次に何かを口にしたらもう・・・・泣いてしまうッ





「・・・・・・・ジーニアス?」
「!?」

ふいにかけられた声に肩が跳ね、後ろを振り向いた。

「プ、プ、プ、プレセア!?!?」
「・・・・・誰の事を言ってたんですか?」
「そ!そ、そ、それ・・・・は・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・


「リフィルさん、元気にしているといいですね」
「え・・・」
「きっと、遺跡を前にして目を輝かせていると思います・・・・・」

ゆっくりと歩み寄って来た。
ソファーは隣りに腰掛けたプレセアの重みで静かに浮き沈みした。

「ジーニアス」


「私は貴方の隣りで進化して行きたいです」

少し涙目で頬を赤らめて言うプレセアに僕は涙を拭った。

「ウサギはッ・・・寂しいと死んじゃうからね!!」


「・・・はい」



遠回しにしか言えない想いがある



でもいつか



この言えない想いを





君に伝える



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