盲目の夢を見た

□お正月ネタ
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「緑さん…!カメノスケをよろしく頼みます…」

…ラケットを見るとビニールで出来た部分が破けていた。もちろんキャラクターもろとも…
穴が空いているわけではないので直せることには直せるのだが破け方がひどい。ちょうど羽根が当たった部分からぐるりと二周…まるで蚊取り線香のようになっている。
お前、力入れ過ぎだろ。

「セロハンやるから自分で直せ、あと謝れ」

まわりを見渡すと冷たい視線というものが感じられる。

「すいませんでした…」
「俺もやり過ぎました…」

一応、反省はしているようすでぐずぐずとラケットをセロハンで修復していく勇哉。

「ところで、おせちが一応用意してあるんだが…いるか?」

「食べたいっす!ください!」

さっきまで落ち込んでいた勇哉が真っ先に顔をあげた。ほかの数名も続いて顔をあげる。

「実はみんな、おせち目当てだったりして」

藍の呟きに数名が反応する。
薄々、こうなるような気はしていて…まぁ、用意しておいたのだがよかったのかどうかは複雑である。

「ちょっと待って!」
「はい!?」
「勇哉に郁人…あなた達は緑さんに迷惑かけたのにおせちまでたかるつもり?」

そこへ、被害者でも加害者でもない…限りなく傍観者な瞳がなんとも楽しそうに語りかける。
説教をする口調ではあるが全く怒っている様子ではない。

「喧嘩じゃないけど両成敗っていうし…二人とも…私に落書きされなさい」

瞳の手にしっかり握られているものに視線が集中する。
ペンより適していると言われればそうだろう。
しかし、筆ではない。
広義では顔に描くと言えなくもないのかどうかはわからないが…
そして、男性がそうそう使うものでもないだろう。
瞳の恐ろしさを片鱗でも知っている二人は気付いている。本気であると…

「偶然にもメイクボックスまで持ってきてた私GJ!!さぁ、処刑の時間だよ〜」

その後、二人が発した否定の言葉は近所には割と響いたが瞳には届かなかった…
さすがに不憫なような気がしたのでおせちは残しておいてやろうと思う。





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……ごめんなさい、こんなので
まとめてみたら意外と短かった上にこんな結果…

どうぞ無視して通り過ぎてください…
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