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□二、仲間割れ
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「父様、起きていらっしゃいますか!?」
「…」
無言である。
当たり前だ。
普段、父が起きる時間は朝の7時前後だが、今は朝の6時…。
だが、そんな悠長な事は言ってられない。
「父様!」
大声で父を呼ぶ――。
「なんだ…朝から騒がしいな…。」
「朝早くに起こしてしまい申し訳ありません。少々ご報告したいことが…」
「…入れ。」
父は、しぶしぶ私を中へ招き入れた。
部屋に入ると…当たり前だが、まだ布団が敷いてあった。
そして父は寝巻きだ。
「…で、報告したいこととは何だ?」
「はい…――」
自分で仕入れた情報を自分なりにまとめて全て話した――。
父も驚くかと思ったのだが…
さすが頭だ。冷静さを保っている――。
「そうか……。着替えを済ませたらすぐ行く。が、それまでの指示はお前に任せるぞ。」
「任せる。」という言葉に少し戸惑ったが、私は一応頭の娘なのだ。これくらいの事はやらなければ。
少し間が空いたが、
「分かりました。」
と返事をした――。