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□二、仲間割れ
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休憩時間は、この組長決めの話で持ちきりだった。
そして中には、「俺が組長になってやる!」とか言っている奴も…。

とにかく、組長になりたいという者がたくさんいた。

休憩時間はあっという間に終わり、再び会議が始まった――。

「組長の決め方だが、色々な意味で実績が多い者にすることにする。」

父は手短にそう伝えたのだった――。

私は1人、部屋で考え事をしていた。
その考え事というのは、もちろん組長決めのことだ。
父は実績の多い者と言っていたが、特に記録等をしているわけではない。

父は一体何を考えているのだろうか?
実績で決めるというのは本当は嘘なのではないだろうか?

そもそも、父は頭なのだし、本家の中から適任者を出すなど、父が決めてしまえば済むことだ。


私の解釈としては、
わざとこのように伝え、組員の様子を見、この状況下でも冷静沈着に行動できる者を適任者として出すつもりなのではないか。と思う。

「父様もよくやるな。」

私はそっと呟く――。

それからはいつも通りお風呂に入ったり、歯を磨いたり、書き物をしたりしてベッドに入った。
そして、数十分もしないうちに眠りについたのだった――。
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