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□△「馴れ初め?」(徳川×跡部)
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シャワーを終えると、徳川は跡部の濡れた体を拭いてそのまま腰にバスタオルを巻いてやった。
とにかく跡部が何もしないので、徳川は溜息を吐きつつも世話してやるしかなかったのだ。
そしてソファーに座らせると徳川は備え付けの内線でコーチに連絡をした。
「…ああ、コーチ。徳川ですが。実は中学生選手が一名、コートで失禁しているのを見つけまして…」
『何っ!まさか跡部か!?;』
「名前は知りません。生意気そうな中学生の中でも特に目立つ…金髪っぽくて目が青い…」
『跡部だな;分かった。着替えを持ってすぐ行くから、済まんがもう少し一緒にいてくれ』
「分かりました」
***
徳川が電話を切ってしばらくすると、柘植コーチがダッシュでやってきた。
「跡部テメェ!あれほど気をつけろと言っただろうが!#」
「だって…!(涙)」
「ああ、徳川すまなかったな。騒ぎ立てずに連絡してくれて助かったぜ」
「いえ。ですが今のお言葉ですと、彼はよく?」
「まあな;合宿入りの時に保護者や校医からの手紙やらも持参したくらいだ」
チラリと見られてまた真っ赤になった跡部だが、コーチに着替えを手伝われやっと宿舎に戻れる姿になった。
「まあ、アレだ。武士の情けと思って、コイツのこの癖の事は他言無用で頼むぞ、徳川」
「ええ。変に騒ぎになって合宿の環境が悪化するのはゴメンですから」
「あの…色々すみませんでした///;」
普段はやたら偉そうな跡部も、ここまで迷惑をかけたからには今回はさすがに低姿勢で謝った。
だが、そう来たら普通は社交辞令にでも『気にするな』というものだが、徳川は…
「…しょっちゅう漏らすなら、せめて始末くらい自分でできるようになれ。甘えすぎだ」
そう言って跡部をまたまた赤面させ、更に「もしおねしょしたら自分でなんとかしろ」と続けた。
「えっ、何でおねしょの事知ってるんですか!?///;」
「………するのか;」
冗談のつもりが真面目に返され、徳川は額を指で押さえた。
「コーチ、大丈夫なんですか;本当に変な騒ぎはゴメンなんですが」
「まぁ…今は介護用品も性能が良くなってるから、何とかな(苦笑)」
「…つまり、オムツですか;」
高校生メインの合宿で…昼のお漏らし、夜はオムツ着用…そんな選手に出会うとは…。
徳川は跡部に目を遣り、視線があった跡部が泣きそうな顔になると、今度は「フッ」と苦笑した。
(続く)