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□その瞳に恋をした
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「伊月先輩誕生日おめでとうございます」
「ん。ありがとう」

 わたしがそっと先輩の隣に座って告げるとこちらを向いて綺麗な黒髪を揺らして微笑んだ。我が誠凛の司令塔は今日、誕生日を迎えたのだ。

 クールな司令塔のPGの彼は大のダジャレ好き。それでも整った容姿をしているので告白される回数は多いらしい。
 まぁ、どれくらいかとかはわからないがとりあえずバスケ部の中ではモテる部類に入るだろう。

「それでですね……先輩、先輩にプレゼントがあるんです」
「へぇ。何?」
「まぁ、ベタにケーキなんですが。コーヒーケーキを作ってみたんです」

 先輩はコーヒーゼリーが好きだと聞いたのでコーヒーも好きだろうという予想でわたしは昨日の夜に作ったのだ。

「器用なものだな。食べてもいいかな?」「あ、はい。もちろんです」

 そう言って先輩が綺麗にラッピングした包装を開けて、中からケーキを取り出した。

 細くて綺麗な先輩の指で口の中に運ばれていくケーキを眺めながらわたしは感想を待った。するとそのことを察したのか「美味しいよ」と微笑んでくれた。大好きな先輩に食べられたケーキとわたしの気持ちが表現が大袈裟かもしれないが有頂天状態になった。




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