籠の歌鳥。

□歌姫の国・メイサ
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私をとらえる見えない鎖。

からめられたその鎖に、空の飛び方などとうの昔に忘れてしまったと思っていた。


『ねぇ、鳥籠の外に出てみたくない−−?』


そう言って、艶やかな笑みを浮かべたあなた。


黒髪の間からは楽しそうな灰褐色の瞳が私を覗いていた。

なんでもいい。

この鎖から逃れられるなら。


もう、籠の鳥はイヤ…――。

 
 
 
 
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