テニプリ

□ド天然
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「……跡部らしいというか…」

練習中、宍戸と2人で話をしていた。
昨日呼ばれたのは何だったんだ?って聞かれたわけ。

「あーぁ…期待しとったのに…」
「まぁ、跡部に限ってデートなんてあるわけないよな」
「わかっとった…それは重々承知しとった。せやけど!少し期待したいなぁって…」

腕を組んで眉尻を下げて苦笑いを浮かべながら昨日のやり取りを振り返りながら、ふと帰り際の跡部の発言を思い出した。

『…呼ばないのかよ』


「……あん時の景ちゃんかわいかったなぁ…」
「え、何。何かあったのか?」
「それより、あの後何時に帰ってん」

ボソッと小さく呟くとすかさず突っ込んできたがまぁ、言うわけないやん(笑)
話題逸らすために部室であったことを聞いてみる。

「………そ、それとこれとは話が違うだろ!?」

何の事やらと疑問になると次には思い出したのかボンッと顔が赤くなる。
あー…なんか、鳳が好きになるんもわかる気ぃするわ…

「…なぁ、あんな嫌がってんのに長太郎んこと好きなん?」
「え…」

気持ちを知ってるからこそのいじわる…俺性格悪いなぁ(笑)
俺の問いかけに戸惑う宍戸にさらに追い討ちをかけてみる。

「嫌なら嫌ってはっきり言うたらええやん」
「そ、れは…」

あぁ、なんか楽しいな。
あ、いやいや。
こんなとこ鳳に見られたら何言われるか…
と、思った時だ。


ヒュッ…
ガシャン!


俺の鼻先を掠めて何かが横切りフェンスに勢いよく当たった。
何かと思い足元をみると硬式テニスボールが2個…

「…あっぶないなぁ。誰と誰やー?こんなコントロールない打ち方…」

顔を上げてあっけらかんとしつつコートを見れば手前に鳳が奥では跡部が鬼の形相でこっちを睨んでいて…って、何で景ちゃんまで…?

「忍足のバカ!部活中何やってんだよ!」

とすかさず岳人が寄ってきてコソコソと事情を説明してくれた。
唖然としていた宍戸も我に帰り耳を傾けた様子だ。

「2人でいちゃついてるから跡部達がお前等に向けて打ったんだと思う」
「なっ…長太郎!そんな個人的な感情で人に向けて打つなよ!」
「宍戸先輩、部活終わったら一緒に帰りましょうねー」

言葉は柔らかいが言い方があまりにもトゲトゲしい、そんな鳳をみた宍戸が慌てふためくのがわかった。
なんや、ちょいやりすぎたみたいな…
しっかし、お二人さん…ナイスコントロールや…

「せやで〜、跡部も部長なんやから行動わきまえんと…」
「つべこべ言ってねぇでコートの外30周してこい、宍戸もだ」

うわぁ…どこぞの学園のメガネ部長かって…
従うしかないと判断してフェンスの外に行こうとしたとき、跡部に呼び止められた。

「忍足」
「ん?なんや」
「部活終わったら話がある。残れよ」

…相当ご立腹…?
あぁ、テニスデートはお預けか…
そんなこと思いながら了解と頷いて走りに向かう。







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