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□その先に見える嘘
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「あ、ぁ、あぁっ」
「どうしたんだい、土方君。今日はやけに敏感だね」
「ん、は、貴方が奥ばかり、狙う、からっ」
「そうか、土方君は奥を突かれるのが好きなんだね」
「ふ、はぁっ、奥、奥にくださ、もっとくださ、っ、い、あぁ!」
女みたいな喘ぎ声を上げて、相手が喜ぶであろう言葉を必死に口にする。
相手の趣味で縛られた手首はキシリと痛み、無数に付けられたキスマークはこの行為が終わっても逃れられないのだと現実を思い知らされる。
興奮したように荒い息を漏らし、相手のその口からは唾液が漏れ、土方の身体に零れていく。
唾液の感覚にゾクリと背筋が震える。冷たいからじゃない、嫌悪からだ。
吐き気がする。
自分を醜く求めるこの男に。
汚い男に触られることに。
そしてこの行為に感じてる自分に。
「土方君、も……出てしまいそうだ」
「中に下さいっ、貴方の熱いの、俺の奥に、っは、下さっ、あっあ」
相手の精液が土方の中に放たれる。あぁ、気持ち悪い。込み上げる嘔吐の感覚を唇を噛み締め必死に耐えた。
生理的に溢れ出る涙で視界が霞んだ。相手の顔を見ないで済むのなら、涙で覆われるほうがましだと感じた矢先、その涙を男の舌で舐め取られる。
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ。
気持ち悪い。
「今日も綺麗だったよ、土方君」
「そんな……っ、勿体ないお言葉です。今日もお相手、ありがとうございました」
真選組の為ならこんなこと、っと思って耐えてきた。
何度もしてきたことなのに。
今更になってまた、耐えられないくらいの気持ち悪さを覚えるんだ。
【その先に見える嘘】
(あぁ……、何で)
あの銀髪が頭から離れない。
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