Black Angel

□狐の理性、兎の淫欲
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「ッんぁあ…ア…ッ…!」

目の前で、親友の兎が激しく乱れている。
彼の体に絡みつくのは大量の白濁と、ドクドクと脈打ち、太くグロテスクな…触手。

「ァ…っや、め…ひァ、あ…!」

それは、俺の体も同じで。
次々と与えられる強い快楽に体を震わせていた──…。





事の始まりは、ほんの数十分前──…

「栗栖、新しい魔法具作ったんだよ」

「…新しいの?」

「うんっ」

紗季は魔法具を作る店をやっている。
新作のものが出来れば、一番に俺に見せてくれるんだ。

そして今日、いつもの野原で紗季が楽しげに微笑んで差し出したのは、緑色の飴玉だった。

「…緑…」

「これはね、一時的に風属性の草木魔法が使えるようになるんだよ。まだ試してないから、成功してるか分からないけど…」

「…とりあえず死ななきゃ平気でしょ」

適当に返してから受け取った緑の飴玉を口に放り入れた。
途端、口内に一気に広がる甘い味。その甘さはいつもよりも強く濃かった。

隣で苦笑する紗季も飴玉を舐め始める。
紗季は強い甘さに一瞬眉を潜めてから、甘すぎたね、と耳を垂らした。

「…次、直せばいい」

「っ…うん」

コロコロと飴を舌で転がしながらぶっきらぼうに言うと、紗季はふんわりと花が咲いたように微笑む。
それだけで、俺まで自然と笑みが浮かんでしまう気がした。

「…じゃあ、試してみる?」

「…うん」

早くこの強い甘さから解放されたくて言えば、紗季は表情を微か引き締めて頷く。
俺はそれを見てから、せーの、の合図で二人同時に飴玉を噛み砕いた。

口の中で二つに割れた飴は、一瞬の熱を持って跡形もなく消えていく。
微かに残っていた甘さも消えかけた頃、突然紗季がガクリと座り込んだ。

「っ紗季…、ッ!?」

どうしたのかと屈もうとした俺の腕に、何かが絡み付いてくる。
その正体を見て、俺は目を見開いた。

──…触手だ。
よく見れば、紗季の足にも絡み付いている。突然座り込んだのは、きっと足を引っ張られたからだ。

触手は深い森にしか生息しない筈なのに、何故こんなところに…?

「ッひゃ、あ!」

理由を考えようとしたが、紗季の悲鳴にそれは中断された。



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