Black Angel

□友を守るため
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ゴキャッ

「っあああ゛ぁぁあ゛っっ!」

鈍く骨の砕ける音がして目の前の男が崩れ落ちる。

クスクス……

ザクッズシャッ

「ぎゃあぁぁっ!」
「ぐがぁぁっっ!」

血を巻き散らして男たちがどんどん屍となっていく。

クスクス……

ピチャッ

「っ……」

頬に生暖かいものがついた。それを指でソロリと掬い取る。

「クスクス……」

血だ。目の前の男の血。

いや、大勢いすぎて、誰のかは分からないか。

でも………、

「…キレーじゃん……」

そう言ってその血を舐めた。
うん、フッツーに鉄のアジ。

クスクス……

あー面白い。
コッケイカナー。
あ、絶景かなーだよな、ホントは。
でも今は、

「滑稽かなー」

目の前の景色が面白すぎて綺麗すぎて笑えてくる。

「あっはーっ。ちょーウケるーっ!」

クスクス……

目の前の景色を目に焼き付けて俺はその場を立ち去る。

シュルシュル……
と音を立てて血まみれの草花が俺の左腕に消える。左手から左肩まで巻かれた包帯が一瞬で赤く染まるが、それもすぐ染み込むように消える。

「あっはーっ!ちょーキレーだったネーっ!ツーカおもしろーいっ!」

あはははっ

と笑い声を残して、魔法を使いその場から去った。




「……」

最後に残されたのは屍だけ。
広く散らばった血は大きな湖と化していて、その血に沈む屍は湖底の泥と化す。

数百の人々が一人の男によって狩られた







「ヒロ、お前ケガしてんのか?」
「えーっ?してないよーっ」
「ばーか。がついてんだよ」
「あ、ホントだーっ」
「……バカか」
「いったーいっ!やぁん、凍希也の鬼蓄ーっ」
「………燃やすぞ」
「きゃーーっにっげろーっ」
「ククッ………はぁ」




(クスクス……凍希也のは誰よりも綺麗だよ…でもね)
(大切な親友だから凍希也は狩らないよ)
(………狩るのは)
(凍希也に近付くウザい奴らダケ)








クスクス……

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