短編・中編
□続・ゲーム
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ピキ、と眉が勝手に動いたのを感じて、俺が口を開こうとすれば、それより一瞬早く友人が“ごめん、冗談”と慌てたように言った。
「ふざけて告白なんかしてさ、渡部に何されっか分かんねぇし」
「ふざけんのも大概にしろってキレそうだよなー」
「…俺も今、キレかけてるんだけど」
何考えてるか分からない奴だし、と苦笑を漏らす友人達に、俺は低い声で呟く。
──…俺達の場合、洒落にならねぇんだよ!
勿論、そんなことを言える筈もなく。
ホモだなんて言われるのも、渡部との変な関係がバレるのも嫌で、俺は吠えたいの言葉を必死に飲み込んだ。
「…ッん、ンぁ…っあ…!」
その日の放課後、約束した訳でもないが何となく渡部を家へ呼んだ。
そしてまた、何かをきっかけに二人でベッドへ雪崩れ込む。
軋むスプリングに、散らかる部屋に響く俺の喘ぎと互いの息。
慣れたその音たちと、慣れない快感。
「ッ…は…帝…っ」
「ンっ…あ、ァ…っ渡部、も…イく…ッ…んん、ンぁ!」
気持ちよくて涙の浮かぶ視界の中、俺の上にいる渡部を見上げて限界を訴える。
直後、唇を塞がれて、更に奥を突き上げられた。
快感が増して、挙げてしまいそうな声は全て渡部の口内へ吸われていく苦しさに、涙が頬を伝う。
──…トびそう…
頭の中で火花が散って、
「ぅ、ン…んんッ…んンぁ…!」
ドクン、と俺の欲が放たれると同時に、俺の中で渡部のモノも弾けた。